「お母さん、僕のお姉ちゃん来たの…?」
先程までどうやらお昼寝の時間だったのか子供が目をこすりながら麩を開ける
恐らくこの子が先程いっていたホリィお母さんの息子の承太郎なのだろう。
ホリィさんの遺伝なのかやはり顔の造形は整っていて、グリーンの瞳がこちらをのぞきこんでくる。
「……っ!この人が僕のお姉ちゃん!?」
私を見るなり嬉しそうに目を輝かせている。
こんな美少年の姉を名乗るなんて、なんだか随分おこがましく感じるが、この子も私を家族と認めてくれているのだ、とひしひし感じた。
「そうよぉ承太郎。お姉ちゃんの名前ちゃんよー」
「…よ、よろしく。承太郎くん」
ぺこりと首だけでお辞儀をすると承太郎くんがとても嬉しそうな顔をしている、周りに花でも飛んでいるような錯覚が起きた。
「よっ、よろしくお願いしましゅ!!」
あ、噛んだ。
「あらあらこの子ったら
この子ねー昔からものすごーく兄妹に憧れてたのよ」
そんなことを言われてしまってはなんだかむず痒い気持ちになる。
照れ隠しにポリポリと頬をかいていると承太郎くんが私の裾を掴んできた
「あの…。遊ぼ?」
正直今日は色々準備をしたいのだが
そんな顔で頼まれたら断れないじゃあないか
私は無言でこくりと頷くと、手を引かれ部屋に連れていかれた。
そこには絵本や積み木に小さな滑り台、子供のおもちゃはどいたいそろっていた。
「うーん。何して遊ぼうかなぁ…」
驚いた、今時の子供はインドアだな。
私が子供の頃は外でしか遊んでいなかった記憶がある。
確かに承太郎くんのうちは金持ちだしこんな美少年だ、誰かと一緒に外にでないと不安なのかもしれない。
承太郎くんは気軽に外で遊べないのだろうと考えると、無性に寂しい気持ちになる。
「外で遊ぼうか。」
「…お外?」
今度は逆に承太郎くんの手を引き、ホリィお母さんの元へ戻る。
「あの、せっかくなんで外で遊んできてもいいでしょうか…」
「もちろんよー!」
私は家事が忙しくてあまり外に出させてあげなかったから嬉しいわー、と花のほころぶような笑顔。
ジョセフおじいさんも私達が仲良くて何より、みたいな顔をしている
思い立ったが吉日。
水筒を二人分用意して、近くの公園に向かった。
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