もう、ここへ来て一カ月になった。ということは、私の命の期限まであと一カ月。幸いなことに両親はすでに他界しているし悲しませる必要はない。未練があるとすれば、それは…

「検査に行きますよー」
「…はい」

もう何度めだろうか。血を抜いて検査をして点滴をして薬を飲んで。腕には点滴の跡の痣がたくさん。自分の腕を見て嫌気がさした。随分と痩せたな…はぁ。アイツは元気にしているだろうか。自分の足で歩く体力もない私を見て笑うだろうか。

(未練が一つあるとすればそれは銀時、)

できることなら最後……最期まで一緒に居たかった。だけど銀時は優しいから私が死んだあと、次の人を見つけられないでしょう?好きだから、幸せになってほしいの。

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