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「名前!ベビーベッド買ってきたんだがここに置いていいか?近藤さんからの出産祝いだハッハッハッ!」

「やだ可愛い〜!ありがとうございます!」

「他に欲しいもんあったら何でも近藤さんに言いなさい」

―――おかしい。

「名前いるかィ?」

「沖田隊長どうしたんですか?」

「見回り中に本屋で見つけたんで買ってきた」

「ひよこクラブ!ってやだな隊長、最初はたまごクラブですよー」

「あ。また今度買ってきてやりまさァ」

「ありがとうございます!」

―――何でこいつまでデレデレなんだ。

「名前〜これ、赤ちゃん用のおもちゃ!」

「うわ!山崎!こんなにたくさんいいの!?」

「良いに決まってるじゃない!俺ら隊士からのお祝いだよ」

「みんなにもお礼言わなきゃね」

「はは、そんなの良いってー」

―――そんな本格的なアスレチックで生まれたての子供が遊べるわけねェだろ、

「あぁぁぁもう!」

「十四郎さんどうしたんです?」

「おかしいだろコレ!」

「何が?」

「ここはな、お前の部屋でもあるがそれ以前に俺が仕事をする部屋でもあるんだ!」

「知ってます」

「なのにアイツらときたら…生まれるまであと半年以上もあんだぞ!?ベビーベッドやらアスレチックやらまだいらねェだろ!」

「いずれ必要になりますよ?」

「だけどなぁ…こんなメルヘンチックな部屋で凶悪犯の書類まとめる気になるかってんだ」

「まぁ…確かに」

「大体なんでアイツらまでこんなにデレデレしてんだよ。俺の子供だぞ。」

「みんなしてパパ気取りですね、楽しそう」

「なんか…お前と子供を取られた気分だ」

「子供はいずれ誰かのものになりますけど、私は一生十四郎さんのものですよ」

「知ってる。他の奴に渡してたまるか」

俺はいつからこんなに独占欲が強くなっちまったのか…。っていうか、アイツら子供が生まれることへの祝福はハンパねェけど…誰一人として俺と名前の結婚を祝福してない気が…


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