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08

行為が終わってすぐ、主犯の男は「鬼の副長によろしく」と告げて去って行った。あぁー私ってば何の役にも立ってないな。チクショー…っていうかめちゃくちゃ寒い。殴られたところが痛い。…私だって一応女の子なんだからもうちょっと優しくしてくれてもいいのになぁ。

「………」

私が黙って空を見上げていると足音が聞こえてきた。やっべ、こんな格好誰にも見られたくないんだけど…

「名前!いるかィ!?」
「(沖田隊長‥?)」
「名前!…ってお前…!お前らは来るんじゃねェ!そこで待ってろ!」

隊長は一番隊のみんなに指示を出して私の元へやってきて口に詰め込まれた布を抜き取ったあと手を解放してくれた。

「ぷはーっ!苦しかった」

「そんなこと言ってる場合じゃねェだろィ!お前これ…っ!」

「あー…すいません、相手は攘夷浪士だったみたいなんですけど…私何もできなかったです。っていうか寒いですね」

「…」

「…ありがとうございます」

隊長は無言で私の肩に自分の上着を掛けてくれた。それからスカーフを取って私の体についた生々しい液体や血を拭ってくれた。

「ってうわ!た、隊長!私自分で歩けますから!」

「お前みんなに裸見られたくなかったら大人しく俺に捕まってろィ」

「お世話掛けます」

突如私を抱き上げた隊長は生臭い私の体を見ないように遠くを見つめながら歩いていた。

「…土方の野郎、血眼になって名前のこと探してやしたぜ」

「あー…絶対怒られる」

「お前な…そんなことより自分の身体心配しろ。最後までヤられたんだろ」

「ねェ隊長、」

「なんだ」

「私…初めての相手は副長が良かったのになぁー…なんつって」

「こんな時に言うことじゃないだろィ、明日朝一で病院連れてくからな」

「はい」

「…泣きたかったら泣けよ。俺以外誰も見てねェ」

「ずびばぜん…うぅ…っ」

気丈に振舞ってみても下腹部に感じる違和感は拭えないし、なんていうか悔しくて。珍しく優しい沖田隊長に抱えられたままその首にしがみついて号泣するしかなかった。


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