誕生日(2010)

ふふふふふ、今日は副長のお誕生日ですよ!でもあの副長は仕事のことで頭がいっぱいで自分の誕生日なんて忘れてるんだろうなと思い、私は数日前に欲しいものをリサーチしたわけです。なんて出来る女!

「あ?欲しいもの?」
「うん!何かありますか?」
「…特にねェな。俺ァお前と違って物欲はねェ」
「私と違ってってどういう意味ですか!」
「そのままだ」
「もー…本当に何も無いですか?」
「強いて言うなら…」
「なに!?」
「…休息」
「あ、あはは…副長らしいですね。あははは…はぁ」
「こんなん聞いてどうするんだ」
「…ソレを聞くのは野暮ってもんですぜ」
「どうでもいいか」

休息って!どうやって用意すれば良いんだよぅ!きっとマヨとかマヨとかマヨとかを欲しがると思ってたのに!ビックリだよ全く!

休息って…難しい。私はとりあえず、副長が休みを取れるように局長にお願いしてみた。あっさりオーケー。局長もとりあえず今日はお妙さんのところに行くの禁止ですから!迎えに行くとか言う余計な仕事増やしやがったら承知しませんからね!わかったから刀しまって!…手厳しいなあ。

次は沖田隊長。今日だけは、今日だけは問題を起こさないで真面目に働いてくださいお願いします。じゃ、んまい棒100本俺に献上しろィ。わかりました!今日だけだかんな。

お次は地味崎!ちょっと地味崎じゃなくて山崎だから!お前は今日一日副長の前に現れないでくれ!ミントンもカバディも禁止だから!アーユーオーケー?はいはい。

ふぅ、これで周りは大丈夫だろう。問題は…私だ。どうやって副長の誕生日という一年で最も記念すべき日を祝おうか。

「副長」
「なんだ」
「非番のところ失礼します。っていうかまた書類書いてんですか?せっかくの休みなのに…これは私がやりますから」
「何で今日はこんなに静かなんだ?」
「さぁ。皆真面目に働いてるんじゃないですか?」
「珍しいこともあるもんだな。明日は槍でも降るか?」
「そんなことどうでもいいですよ、副長…これ、あげます」
「なんだ?」
「開けてみて」
「…携帯灰皿、と…ライター?どういう風の吹き回しだ?お前なんかやらかしたんだろ」
「そんなことないですよ。プレゼントです」
「なんで」
「今日が何の日か考えてください」
「…あ、」
「私のために生まれてきてくれてありがとうございます」
「お前勘違いも甚だしいな。まぁありがとう」
「お礼は体で払ってくれれば十分ですから」
「それは俺が確実に損するから却下だ」
「えーケチ。じゃあチューで」
「それも無理だ。なんか色んなものを失う気がする」
「じゃあ今度非番が重なったらどっか連れてってください」
「…ま、それなら聞いてやらんでもない」
「やったー!」
「名前、」
「なんですか?」
「ありがとな」
「えへへ、どう致しまして!」

喜んでもらえて何よりです!私のために(ここ重要)生まれてきてくれてありがとうございます!


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