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幼馴染攻略法

俺たちがなぜこの空間に一緒にいるのかというと、それは俺たちが幼馴染だからであって、そこに特別な感情というものは存在しないと自分に言い聞かせて過ごしてきた。一緒にいすぎたから今更、だなんて躊躇う。本当はこいつのことが好きでたまんねェのに。

だから俺は意を決して今日こそこの気持ちを伝えようと思う。三日三晩なんて伝えればいいか悩みすぎたおかげで眼の下にはひどいクマができてはいるが、これはチンピラに殴られたことにしておこう。

考えた結果アレだ。かっこつけるんじゃなくて、いつもの軽い感じで言ってみたらどうだろうか。そりゃ一世一代の告白になるわけだし、記憶に残るいいセリフをと思ったけど…俺の引き出しに気の利いたセリフは入ってなかった。残念だ。

「なぁ、」
「なに」
「お前さ、」
「なに」
「えっと…」
「だからなに」
「いや…あのさ、お前…そろそろ俺のになったら?」
「うん」
「………は?」
「え?聞こえなかった?」
「いや、ちがくて…意味わかって言ってる?俺は今お前に告白したんだよ?」
「うん」
「結婚を前提に男と女の関係になるかって聞いてんの」
「うん」
「で、お前は俺の告白を肯定した、と。」
「そうですけど何か問題でも」
「ないんだけど…」

結果的には万々歳なんだけど、なんか腑に落ちないのって俺だけ?

「銀時、言わせてもらうけど…私だってあんたのこと好きじゃなかったらいい加減こんなとこに居ないでどっかで男探しますよ」
「うん」
「私も銀時が好きだからここにずっといたわけで…もしかしてこの20年余り、私の気持ちに気づいてなかったわけ」
「…」
「無言は肯定とみなしても?」
「…そうですね」
「まぁとりあえず今日から恋人というわけですか」
「はい」
「とりあえずキスでもしとく?それとも早速一発ヤっちゃいます?」
「あー…念のため聞くけどお前って処女?」
「さぁーね」
「ってオイ!俺はそれ以外認めねェぞ!」
「自分で確かめればいいじゃない」
「…そっか」
「今日からよろしくね、銀時」
「お、おう」

拍子抜けだっつーの。ちなみにいうとアイツはちゃんと処女でした。他の奴に奪われてたら殺しに行くとこだったな。高杉とかぜってぇアイツのこと好きだったもんな。

ちなみに付き合い始めたことを報告したら「え?今更?っていうか付き合ってなかったんスか?」って言われました。俺の眼の下のクマはなんのためにできたのだろう。


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