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幸せ家族計画

「おとう!」
「あ?どうしたんだ?」
「ぼくもおにいちゃんになりたい!」
「へ?」

名前と夫婦になって息子が生まれて早三年といったところか。近藤さんの好意もあって家族三人、ほとんどこの屯所で過ごしている。デスクワークの合間に息子を膝に乗せ戯れていたらいきなりさっきの発言だ。

「いきなりどうしたんだ?」
「聞いてよ、十四郎さん」
「ん?」
「近所のおそのさんのところで二人目が生まれたでしょ?」
「そういえばそうだったな」
「この子、生まれたばっかりの赤ちゃんに興味津々なの」

俺の茶を用意し、ふふふと笑いながら話す名前と何だか照れくさそうな息子の姿に柄にもなく幸せを感じながら良いことを思いついた。

「なぁ」
「おとう、なに?」
「お前これからちゃんと毎日早く寝て、母ちゃんの言うことちゃんと聞けるか?」
「どうして?」
「お前がちゃんと母ちゃんの言うことを聞くなら…弟か妹がくるかも知れねェぞ?」
「ほんとう?」
「十四郎さん!?」
「あぁ、だから良い子に出来るな?」
「うん!いいこにする!」
「よし、約束だ」

嬉しそうに山崎の雑用の手伝いを始めた息子を見つめながら困ったように笑う名前。その様子は少しむくれているようにも見える。

「どうしてあんなこと言ったんです?」
「最近あいつの寝つきが悪くてお前に触れられなかったからな、」
「んっ…ちょ、っと!」
「感じてんのか?」

隣に立っている名前の腰から尻にかけて撫でると軽く身を捩って逃げようとする。

「いてッ!」
「まだ昼間です!」
「……夜なら良いのかよ」
「あの子が寝てからですよ」
「乗り気じゃねェか」
「ふふ、どうでしょう?」

悪戯に笑う名前をめちゃめちゃにしてやりてェーと思ったことは絶対に秘密だ。


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