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【お前の全部、欲しいんだよ】


「カカシ先生…?どうして?」

「どうして、って…俺はね、お前の全部が欲しいんだよ」

「なんで、」

「もう戻れないんだから、大人しくしてて。ね?」

憧れの人だった。
ミステリアスな雰囲気、シルエットすら美しい彼は、忍としての才も申し分ない、誰がどうみても天才忍者だった。

彼が受け持つ第七班の子供達が大きくなり、やがてそれぞれの道を歩き始めたころ、私たちは同じ任務に就くことが多くなった。近くで見れば見る程カカシ先生の技は華麗で鮮やかで、憧れる他なかった。任務中命の危機を救われたその時、私の中の憧れは個人的な好意に変わり、愛されたいと願ってしまったのが間違いであったのかもしれない。敏いこの人が私のむき出しの好意に気づかない訳もなく、このような事態に陥ってしまった。全ては私のせいだと思った。

「俺とナマエが2マンセルを組んだのは火影様の命令ではないよ。俺の希望。」

「カカシ、先生…」

「ナマエが俺を好きになってくれる前から、俺はお前のことが好きだったよ。何事にも一生懸命で、ナルトやサクラ達の面倒をよく見てくれて。あいつらから見ればお前は本当に良いお姉さんをしてくれてたよね」

「…」

「でも、お前が誰にでも良い顔するから…ナルトやシカマル…だけじゃないね。ネジや他里の我愛羅からも好意を向けられてたの知ってた?」

「え…?」

「鈍感にも程があるよね。俺が焦ってることなんて知らなかったデショ」

カカシ先生は私を押し倒したまま、次々と衝撃の事実を口にした。カカシ先生が私をずっと好きだった?シカマルや我愛羅が私に好意を向けていた?知らなかったことばかりだ。

「いくらなんでも英雄や木ノ葉イチの頭脳、日向の天才、そして風影様が相手なんて、荷が重いし俺だって焦るんだから」

「は、い」

「もう一度いうよ、お前の全部が欲しいんだ。ナマエの全部、俺にちょうだいヨ」

「カカシ先生…ちゃんと言わせて…私、カカシ先生が好きです」

「知ってる。でもありがとう。止まらないから覚悟しておいて」

初めて見る愛しい人のありのままの素顔。初めて見た唇が私の唇と重なるまで、あと1秒ーーーーー


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