「気に入ったか?」

満面の笑みでうんうん!と激しく頷くと、高杉君は満更でもないような顔をした。結局あのあとどこからか綺麗な着物を引っ張りだしてきた高杉君は、あれよあれよと言う間に私に着付けを施したのだった。姿見で自分の姿を確認すれば、まさに綺麗な着物に着られているい自分が写った。

「似合ってる?」
「馬子にも衣装レベル」
「もうちょっと褒めてくれてもいいじゃん!また子ちゃんに見せてくるから!」
「迷子になるなよ」

高杉君の部屋のドアをバタン!と勢い良く閉めて外に出ると、無機質な鉄の廊下だった。何だか肌寒いなあ〜また子ちゃんに見せたらさっさと戻ろう。そんなことを思いながらボチボチ歩いて暫く行くと大きな窓があって、外には見慣れない宇宙空間が。…本当にこんなとこにいるんだ。まさか生きている間に宇宙旅行が叶うとは思わなかった…。はぁ…そろそろ帰りたくなってきた。

無限に広がる宇宙を目の前にして、なんだか気分はどんより曇り空のように湿っぽくなってしまった。土方くん元気かな…会いたいな。

「あれ?こんなところに女がいる」
「あ?今日は打合せあんだから寄り道してんじゃねェよこのスットコドッコイ」

聞きなれない声に振り向くと、ピンク色の髪の少年とおじさんがいた。

「誰ですか」
「俺は神威。君強いの?だったら俺の子供産んでヨ」
「は!?セクハラだよ!!??」
「団長無駄話はナシっつったろ」
「ね、俺の子供産む?」
「やだこの人私の話聞いてない!」
「あ!ちょっと!…まだシンスケの居場所聞いてないのに」

うああああん!!変な人ばっかりじゃないか!!高杉君のバカ!!!!もうやだ帰りたい!江戸に帰りたい!!!!

「高杉くん!!!!」
「よォ。誰かに褒めてもらえたか?ククク」
「変な人に俺の子供産めって言われたよ!唐突に!セクハラだよね!?」
「あ、あいつらが来るの今日だったか」
「知ってんの?」
「多分銀時んとこのチャイナ娘の兄貴だ」
「ええええええ…あの喧嘩めっちゃ強いバカ兄貴があれか…覚えとく…」

自分の世界に帰ったら意地でも近づかないように注意しようと思った。


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