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義兄さんの部屋を出てからは色んな使用人さんの紹介をしてもらった。庭師の原田さんと永倉さんや雑用代表(らしい)山崎さん。そして今は調理場へ向かっている。

「ここが調理場になっております。ここの料理長は…」

「沖田総悟でさァ。」

「総悟!お嬢様だぞ、敬語使え」

「俺はあんたと違ってこの嬢ちゃんに仕える執事じゃないんでねィ。で、嬢ちゃんの名前は?」

「あ、ナマエといいます」

「俺のことは適当に呼んでくれていいんで。俺もナマエって呼んでいいかィ?年もそう離れてねェみてェだし」

「じゃあ総悟君って呼ばせてもらうね!」

「おう。じゃあ俺は夕食の準備があるんで失礼しやす。せいぜいそこのムッツリに襲われねェように気をつけるこった」

「総悟!!!!…ったくアイツは…」

「仲良いんですね。」

「総悟が失礼な態度を…申し訳ございません。後できつく叱っておきますので」

「そんな、私も堅苦しいの苦手なんであんな風に話してくれる人が居て嬉しいです」

「本当にすみません…夕食の準備とか言ってましたけど、アイツは権力振りかざしてサボってるだけなんで。見かけたら怒ってやってくださいね」

「ふふ…わかりました」

土方さんの話によれば総悟君も早くに両親を亡くして、最近お姉さんも亡くしたそうだ。きっとつらいんだろうな…。私なんかでも寂しさを紛らわすことが出来れば、

「お嬢様はお優しいのですね」

「そんなことないです」

「お嬢様は…その…寂しくはないのですか」

「んー…どうなんだろう。今までは私が寂しくないようにって幼馴染の3人がいつも一緒に居てくれて、でもこれからは…」

「…本当に転校という形になって良かったのですか?今からでも元に戻すことは…」

「いいんです、頑張るって決めたし!それに、これからはお姉ちゃんも義兄さんも…土方さんもいてくれるから寂しくないと思います」

「では…お嬢様が寂しくならないように出来るだけお傍に。」

「あ、ありがとうございます」

不意打ちの笑顔にドキッとしたのはいうまでもなく。

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