いくら私の執事だからといって、こんな時間にこんなイケメンと一緒に居るというのはいかがなものだろうか。もちろん土方さんにそんなつもりはないだろうし、土方さんからしてみれば仕事の一環として自然な紅茶の飲み方を教えているだけ。…なんだけどさ、

「ひひひひひひひひひひひ土方さん!」

「なんでしょう」

「いや、あの…その…」

土方さんは仕事をしているだけなんだけど…この状況ってどうなの…!土方さんは私の後ろに回って、そこから「カップはこのように取っ手をこう回して…」とか無駄にイケメンな声を響かせながら教えてくれてる。…教えてくれてるんだけど正直それどころではない。手は軽く握られているし、傍から見れば抱きしめられているように見えないこともないはずだ。

いやもう本当に練習どころじゃなくて、顔から火が出そうなほど恥ずかしい。

「お嬢様…?」

「ひゃい!」

「お顔が赤いようですが…体調でも悪いのでしょうか?それならば早くお休みになって頂くために今日の練習は…」

「うん、はい…熱はないんですけど……ちょっと(心臓がこの状況に)疲れちゃったかも、です」

「それでは…今日はこの辺りにして、また明日にでも」

「はい、ごめんなさい」

「お嬢様、」

「あ、ありがとうございます」

「ははは…いえ、こちらこそ」

もうなんなんだこの不意打ちの笑顔は!また心臓がうるさくなっちゃったよ、

んー…銀時も晋助も小太郎もイケメンの部類だったと思うんだけど…ドキドキしなかったのはなんでだろう。

「風邪を召されませぬようお気を付けください、」

「ありがとう」

「それではおやすみなさい」

「おやすみなさい」

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