(間に合わ無かった11/22記念)
と或る酒の席での話なんだが。
初めはいつも通り律義に二席俺との距離を保って(俺はこれを初な恋の距離感と呼ぶ)ユースタス屋は赤玉ポートを舐めて居たんだよ。酒まで好きな色とか本当可愛いよな覗く舌とか濡れる唇とかとろんと僅かに下がる目尻とか色付く頬とか無神経のそれがまた扇情的で、エロくて食いたくて堪ん無え。つーか前もカップに入ったやけにどろどろした乳製品をちびちび口に運んでるユースタス屋は絶景ものだったな、下手なAVより比べちゃいけねえがずっと興奮する。やはり食と性には密接且つ尊大な関係が…あ?何だよ話がずれてる?るせぇバラすぞ。
まあそう云う訳でこっちが詰めてやりたくなる距離感を楽しんでグラスを揺らして居たらやけに甘ったるい声で名前を呼ぶ奴が居たんだよ。誰だか解るか?ユースタス屋だ。いつも思うが彼奴の低音でゆっくりと出される甘え声は下半身に来る。何で知っているかってそりゃ、数え切れねえ夜だけとは言わず朝も昼間も…いや、ここはユースタス屋が拗ねるから黙っておこう。可愛いけどな。
その甘い声に振り向いてやろうとしたら真横にもう、少し色付いた白い肌が有るんだ。
「トラ、ファルガア……ヒック、」
「何だよユースタス屋、随分酔ってるなあ。」
酔いの回るユースタス屋のエロさは上記参照って事で、まあとにかく何を思ったか奴は真横の席から俺に腕を伸ばして来た訳だ。何だ何だと思ったが面白えから我関せず、な振りをした。
「…、ユースタス屋、」
「んぅ、さけくせえぞ、…トラファルガー、」
「………。」
お前もだなんて言えるか?言える訳無えだろ。あのユースタス屋が。顔をちょっと近付けただけで裏拳を放つツン99.9 デレ0.1のユースタス屋が、自ら腰に巻き付いて来たんだぜ?おまけに脇腹にくっ付いた鼻先を擦り付けて来てはふにゃふにゃしただらし無え顔で嬉しそうに俺の名前を幼児みてえに舌足らずにトラファルガートラファルガー呼びやがって、馬鹿か。俺の下半身事情を知った上でのそいつかと。
これで終わりじゃ無えぞ。こんなのまだ序の口だ。
何も反応し無え(固まっただけだ)俺に不機嫌そうに喉を鳴らした後ユースタス屋は顔を俺と同じ高さに上げて近付けて来るんだ。おいおい本気かと思うも束の間、あいつ、まさかの頬擦りだぜ?20そこそこ生きてる大の男が酔って頬擦りって。そりゃ無えよ。ユースタス屋だから許す。
「…ひげ、それ、いてえばか、バカファルガー」
「それは無理な話だ。」
口からは文句垂れている癖に嬉しそうな顔してんだぜ?擦り付けられるそれがあんまり白くて美味そうだから舐めてやろうかと思ったが次の瞬間にはそんな煩悩は彼方へ飛んだな。
「!」
「ん、」
音を立てて熱い唇をくっ付けて来やがったんだ。かつて無えユースタス屋の素直な(あくまで素直、ここ重要)振舞いに俺はもう二つ以上の意味で奮い起っちまった訳で。
…ここまでしてくれるのは誘ってくれてるとしか思えねえだろ?
だから俺も「素直」にユースタス屋のくっ付いたまま発展を見せない唇を割ってやろうとしたんだ。
「…ユースタス屋、」
「…!!」
途端に閉じていた瞳孔全開にして顔を離したと思うも、俺は光を見た。
奴は華麗にも程が有る身のこなしで顎に一撃を見舞ってくれた。
…こんなの彼奴の素直の裏返しだからどうって事無えけどな。顎を抱えて悶絶する俺を前にユースタス屋はカウンターに突っ伏して可愛い寝息なんか立ててんだぜ?
全く本当、可愛い奴だよな。
とりあえず酒の神にゃ悪い奴は居ねえよ、覚えておきな。
バッカスに口付け
(アイラブユーでユーラブミー!)
(二人の踊り恋に乾杯!)
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お馬鹿なローさんが書きたくて(死亡)
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