01


 







『おおー!!』


ギルドに着いたハルはナツたちを放って広くなったギルド内を走り回る。



「おかえり、ハル」

「今帰りかぁ?」

『ただいまー!ギルド、すごい変わったね!!』

「ハルがいるとギルド内も明るくなるなぁ」
















「ハル…さん」


声をかけられながらもアイスと共に歩き回っていると遠慮がちに名前を呼ばれた。



『ジュビア!』

「はい!私、フェアリーテイルに入ることが出来ました!」


ついこの間までカールヘアーだったジュビアの髪は外ハネのショートになっている。嬉しそうに笑うジュビアを見て、ハルもふわりと微笑んだ。



「よう帰ったな、ハル。新入りにはもう会ったか!」

『じいじ!』

「ジュビアじゃねぇか」


マカロフに連れられてきたグレイたちと合流する。グレイを見るなり目をハートにして喜ぶジュビアの態度に、相変わらずだと呆れるルーシィ。



『改めてよろしくね、ジュビア!』

「はい!よろしくお願いします、ハルさん!」

『ハルでいいってー』


にこにこと笑う二人を微笑ましく眺めていると、マカロフが新入りがもうひとりいると言った。




「誰だ?って、おまえは!!」


マカロフの指差す先を見やれば横柄な態度で椅子に座る男。肩には確かにフェアリーテイルの紋章がある。



『…ガジル』

「よう、水竜(ウンディーネ)。調子はどうだァ?」

ギヒッと妖しく笑うガジルに、ナツやグレイがすかさず食って掛かった。


「おまえ!ハルに手ぇ出してみろ!!」

「ただじゃおかねぇからな…」

「待ってください!ガジルくんを誘ったのは私なんですっ」

慌てて二人を制するジュビアを見やり、ハルはガジルに歩み寄る。



『大丈夫だよ!よろしく、ガジル』

「……お人好しが…」

『どうしてもやり合いたいならかかってくれば?いつでも相手になってあげるっ』


ふわりと笑うハルに嬉しそうにギヒッと笑うが…。





『ま、あのナツに勝てないようじゃまだ早いかなー?』

「んだとっ!?」

「どういう意味だ!ハル!!」

『ナツに勝って出直しておいでー』


からかうように首をかしげると、ぎゃあぎゃあ騒ぐ二匹の竜(ドラゴン)を放って、けらけら笑いながら二階へと上がっていってしまう。

















「おい、じいさん…」

「どうした、グレイ」


ハルが立ち去ったのを確認したグレイがこそっとマカロフに声をかける。



「ハルの…ファーストキ」

『ねぇ、じっちゃん!ミラはー?』

「…っ!!」


「ミラならそろそろステージに…」





二階から叫ぶハルにぎょっと口を噤むグレイ。マカロフの言葉通りステージの幕が昇りスポットライトが射す。


「ハルもみんなもおかえりなさい!」

手を振るミラジェーンに振りかえすと、ゆっくり息を吸い込み歌い始めた。





手すりに寄り掛かり歌に聞き入っていたハルは、ついうとうとと目を閉じる。











「シュビドゥバァ!!」

『……っ!?』


驚いて顔を上げて見れば、ステージに立つのは白いスーツを着たガジル。

さまざまな物を投げる外野に懲りず歌い続けるガジルだが、ハルが『うるさい…』と花瓶を投げるとケンカごしに飛びかかってくる。



「シュビドゥバァ!!」

『意味わかんないし…』


騒ぎが大きくなるなか、ケーキを食べようとしていたエルザにぶつかるグレイ。無惨にも落ちてしまったケーキに何かが切れる音。



一層騒がしくなるギルド内に何故か安心したように笑うナツだった。








 



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