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「今年も始まりました、大魔闘演武!解説には元評議院のヤジマさんと、青い天馬のジェニーちゃんに来ていただきました!!」


チャパティの実況に会場は騒がしくなる。誰もが待ちわびた大魔闘演武。今日予選を通過した上位8組のギルドが発表される。

ハルにとってはどうでもいい。何よりウェンディを傷つけた相手を警戒していた。




早速と発表される予選通過ギルド。



8位通過、妖精の尻尾。

全員がそろいの紫カラーを身につけ、堂々たる入場。しかし会場は彼らの通過など期待していなかった。


盛大なブーイングにぎょっとする彼らだが、その一角から聞こえる家族の声援。

マカロフを筆頭に、妖精の尻尾ギルドメンバー総勢での応援に、ナツたちは笑顔を浮かべた。




7位通過、四つ首の番犬。

6位通過、青い天馬。

5位通過、人魚の踵。

4位に蛇姫の鱗が続く。


そして




3位、大鴉の尻尾。


『……っ!』

「何故闇ギルドが!?」

目を見開くハルと怒りを露わにするマカロフ。大鴉の尻尾マスターは、マカロフの実の息子、イワン・ドレアーだった。

『まさか…っ。』

「やつならやりかねん…!!」


こそっと話す二人。フィールドに出てきた大鴉の尻尾のメンバー。その中に、目元に仮面を付け、肩へ小動物を乗せた者がいた。



その小動物はウェンディに変身し、まるであの夜の出来事を再現するかのように演技をする。

「おまえら…っっ!!!」


怒りに飛び出しそうになるナツをエルザが止めた。しかし他のメンバーもどうにも怒りが収まらない。








『…っ!!!』


―――ガッ

仮面の男へ拳を振るうハル。いつの間にか応援席から、彼の目の前まで移動していた。その姿を誰が確認出来ただろうか。



しかしそれは直前で止められた。
















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