01










『…どーしよっか。』

「おまえ本当に焦ってる?」


岩場でバタバタと足を海水へと付けるハルに、アイスはたこ焼きを頬張りながら突っ込む。

何とも呑気なハルはひとりこうして眈々と考えこんでいた。





「ハルさーん!」

『ウェンディ?』

遠くからの呼び声に顔をあげれば、嬉しそうに駆け寄ってくるウェンディ。どうしたのか尋ねれば、彼女はハルの腕を掴み引っ張る。


『…っ!ウェンディ?』

「来てください!ジェラールさんが、私たちに力を貸してくださるそうです!」

『ジェラール…?』



















「ぅわぁあああっ!!!!!」

『……ナツ、大丈夫なの?』


連れて来られた場所では、身体中に魔法陣を刻み、痛みと戦うナツの姿。ウェンディに先ほどまでのきらきらとした表情はなく、レビィと涙を流していた。




「貴女が水竜ね?」

『……はじめまして。』


ぽつりと挨拶をするハルに、魔水晶を手にした女性はふっと笑う。

「私は元悪魔の心臓の七眷属だったウルティア。今は魔女の罪(クリムソルシエール)として、闇ギルドを潰してまわってるの。」


『で、ナツに何したの?』

「あら、心配しないで?了承を得ての行為よ?」

首をかしげるハルに、第二魔法源についての説明を始める。

どの魔導士にもある潜在能力で、いわゆる"二つ目の器"のようなものと。それを解放すれば、使える魔力量が増え、魔力の威力が大幅に増幅するというものだと。



『ならそれあたしにもお願い!』

「ハル!?」

驚くルーシィにハルはにっと笑ってみせる。


『強くなるならやるしかないじゃん!』

「目の前でこんなに苦しんでるナツを見て、よく即決できるわね…。」

呆れるルーシィにウルティアも笑いながら、ハルの身体へと魔法陣を描きはじめた。










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