02
ルフィも目を覚まして、みんなで宴をしたあと、大浴場へと入った。そして一味がもう一度部屋へと集まったとき。
「今夜!?」
「えぇ、もうここにいる理由もないし…。海軍に囲まれてる今メリー号も心配だわ」
『ルフィ…』
決断を迫られ考え込んだルフィに、一味の視線は集まった。
「よし………、アラバスタ料理をもう一回食ったら行こう!!」
「「「すぐ行くんだよ!!」」」
一味の鋭い突っ込みが入るなか、ビビが困惑した表情で声をかける。
「ねぇ、みんな……私はどうすればいい?」
「ビビ…」
超カルガモ部隊で一味が船へと向かうとき、宮殿ではイガラムが慌てて部屋へと飛び込んできた。
「ビビ様…っ、彼らは!?」
「……海よ、海賊だもん」
「そんな…、せめてこれだけでも」
慌てるイガラムの手から三枚の紙を受けとるビビは、一瞬目をまるくしたあとにこりと微笑んだ。
「無駄よ、超カルガモ部隊に頼んだんだもの…もうカルーでも追い付かないわ。」
その紙は指名手配書であり、写真はにこやかに笑うルフィのもの、鋭く睨むゾロのもの、そして…きょとんと空色の瞳をまるくしたハルのものだった。
その額は順に…
"麦わらのルフィ"賞金額1憶ベリー
"海賊狩りのゾロ"賞金額6000万ベリー
"桜花舞姫ハル"賞金額1億3000万ベリー
「どうしてハルさんに賞金額がついたかわからないけど、彼らは喜ぶだけだもの。危機感なんて持たないわ。」
クスッと笑うビビは窓の外を見つめた。
一方メリー号に着いたルフィたち。Mr.2がメリー号を守ってくれたことを理由に、麦わらの一味とMr.2一味は協力してアラバスタを出ることとなった。
『なんで…そこまで』
「ダチだからに決まってるじゃない!」
『…………』
ルフィに化けて自身の船へ乗り込むボン・クレーをハルは目をまるくして見上げる。
『……ありがとう』
「ふふっ、あんたいい女になるわよン…、野郎共行くぞォ」
「「はっ、ボン・クレー様!!」」
作戦通り二手にわかれると、変装したボン・クレーたちを麦わらの一味と勘違いし、海軍はアヒル船を追うため陣を崩す。その間にメリー号は難なく海軍から逃げることに成功した。
一味は向かう。約束の場所へ…
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