02
その後、突如きた大嵐より、サニー号は外輪を出し何とか乗り切った。何よりナミの的確な指示があってこそだ。
「はぁ…、越えたはいいが…何だこの海。」
「まだ夜でもねェだろうに……、霧が深すぎて不気味な程暗いな。」
「もしかして…、例の海域に踏み込んだってことかしら…。まだ心の準備が…!!」
『……。』
各々の反応に「もう魚人島に着くのか!?」と喜ぶウソップ。何も知らない彼へ、仲間たちはココロより聞いた情報を流す。
もちろん怖がりな彼が、静かに聞き入れることはなく。案の定、ぎゃあぎゃあ騒ぎ始めた。
と、言っても、もはやどうすることもできない。
そこへ――
「ヨホホホー…♪」
「な、なんだ?!この音楽…。」
「ヨホホホ〜…♪ヨホホホ〜……♪」
何処からともなく聞こえてくる歌声。ゆっくりと振り向くと、サニー号の後ろには倍以上もあるボロボロの船が…。明らかにそこより聞こえてくる声。おまけに如何にもといえるような見た目に、ルフィたちはゴースト船だと騒ぎ立てる。
歌声は未だ止まず、彼らの耳へと届く。
「この船に…誰が乗ってるっていうの…?」
「フン…。敵なら斬るまでだ。」
「いるぞ。何か。」
サニー号の横をゆっくりと通るゴースト船。見上げるその甲板より、確かにこちらを見下ろす影がある。
「ビンクスの酒を…♪届けに…ゆくよ…♪」
『……っ!!』
その姿に誰ひとり声が出ない。
彼らの目に映るのは、アフロの骸骨がお茶を飲んでいる様子。
そう、骸骨が確かに彼らを見下ろしていた。
どうしてもゴースト船へ行くと言って聞かないルフィ。そして、その保護者として、ナミとサンジが同行することになった。
ハルたちはサニー号にて、彼らの帰還を待っているところ。ウソップとチョッパーは怖々と抱きしめあっているが…。
「…ハル?」
『………何?』
「どうしたの。何か変よ。」
いつもの距離感とは違い、極端にロビンへと引っ付いているハル。その様子にゾロはからかう様に笑う。
「おまえもしかして怖ェのか?」
にやにやとした視線にハルはむっとして言い放った。
『…………怖いわけない。』
「……へえ。」
『AKUMAだって相手にしてきたんだ。怖いわけないだろ。』
「オイオイ、チビ。悪魔って何だよ。」
にやっとするゾロとぎょっとするフランキー。ロビンはくっつくハルを優しく撫でる。
「………、あっ!!」
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