02
宙に浮かぶ紅い弾。
それに気づいた時には遅く、それは一直線に彼らを襲う。
「!!?」
「がはぁっ!!」
次々と倒れていく海兵。
思いもよらない反撃に戸惑うも、さらに待機していた海兵が前へと出てくる。
それでもハルは逃げることなく、『しつこいなぁ。』とため息をついた。
「撃てェ!!!」
「ハル!?」
―――ガウンガウンッ
幾つかの発砲音の後、きょとんと目をまるくするハルの目の前には大きな影が出来ていた。
彼に守られるような形となったハルとロビン。撃たれたにも関わらず、彼は平然とそこに立っている。
「丈夫なのよ、鉄だから。」
地雷にやられたはずの彼に驚く海兵。
そこでフランキーの持つ電伝虫から、聞き慣れた声が聞こえてきた。
<フランキーくん、フランキーくん。こちらそげキング!>
「ん?この電伝虫は…」
<ナミから私が受け取った!それよりその付近に赤い布の包みが落ちているはずだ!>
言われたとおり辺りを見回すと、そこにはその通りのものが落ちている。
中を開けると、2本の鍵が入っていた。
フランキーの持つ2本の鍵と合わせると、全ての鍵がここに集まっていることになる。
「1番…3番、4番……5番!!」
ロビンの手錠が外れた。
自由になった両腕に、一気に脱力するロビン。その場に座り込む彼女に微笑みながら、ハルも自分の鍵を探す。
「貸してみろ。」
『フランキー…。』
1番の鍵を手に取ると、少女についた手錠の鍵穴へと刺した。
『生きてたんだ。』
「言っただろォ。丈夫なのよ、鉄だから。」
―――カチャ……ガコン
その場に落ちる海楼石の手錠。
同じく自由になった両腕に、大きく伸びをする。
驚きの事態に慌てるスパンダム。CP9全員がやられたことを信じることが出来ない。
「うおーい!長っ鼻!二人の手錠は外したぞォ!!」
「ありがとう!長鼻くん!!」
<礼なら全てがすんでから、必死に鍵を集めた者たちに言いたまえ!君は紛れもなくルフィくんたちの仲間だ!!もう思うように動きたまえ!>
そげキングらしい言い回しに、ハルはひとり微笑んだ。
『やっと自由に能力使える。』
手錠が外れたことに、再び捉えようと向かってくる海兵。ハルはイノセンスを発動させ、それを迎え討つ。
もちろんそれに敵うはずもなく、次々と倒されていく海兵たち。ロビンはスパンダムへと、今までの鬱憤を晴らすため、集中砲火をしていた。
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