光に導かれて | ナノ

02

 







第三ゲームが始まるも、フィールドがフォクシーの船であるセクシーフォクシー号のため、どうしてもフォクシーの有利となっていた。

甲板にある武器と自身の能力を巧みに利用し、単純なルフィを次々と嵌めていく。




『……モグモグ…あのアフロいいね…』

「よくわかってんじゃねぇか、ハル!」

胸を張るのは先ほどルフィのセコンドとして、彼の服装を決めたウソップ本人。何故かアフロに絶対的な信頼をしている。


大きな爆発音の後、船上は真っ白な爆煙に包まれ、様子がうかがえない。



『見えないねぇ…』

「見ろ!ルフィが船内に入ってくぞ!」

「ルフィ、罠よ!」


ナミの声はもちろん届かず、ルフィはそのまま船内へと消えていく。



『これ中の状況、見れないの?』

「残念ながら、フィールドには対戦者の二名しか足を踏み入れることは出来ないよーう!」

『どーせこの船でやることは決まってたんだから、それなりの準備しときなよ…』


ハルの突っ込みにイトミミズは、聞こえなかったかのように口笛を吹いていた。

















ルフィとフォクシーが船内に消えて十数分。ハルは先ほどから暇そうにあくびを繰り返していた。


『ふわぁあ…』

「眠いのか?」

『だって全然様子がわかんないもん』

隣に座るチョッパーに答えながら、もう一度あくびをする。



「確かに、どうなってんだァ!?」

中のようすは全くわからず、観客席に座る彼らはハラハラする者が多くいた。






―――ドオォオオン…


突然の爆発音。再び辺りはホコリで見えにくくなり、ハラハラしていた両者の船員たちは目を凝らす。



「船上には二つの影!立っているのは…」

イトミミズの実況に彼らは集中する。




「我らがオヤビンだー!!!」


「「うおぉおお!!」」

沸き上がる歓声。目を見開く麦わらの一味。見ればフォクシーの足元に倒れるルフィの姿があった。



『ルフィ!?』

「そんな…」


勝利を確信したフォクシーは独特な笑いを高らかにあげるが、それはすぐ止まる。



「な…」


ぼろぼろで傷だらけのルフィが、ふらふらとよろめきながらも立ち上がったのだ。



『ルフィ…』

船内で何があったのか、火傷の痕まで見える。ただのパンチで燃えるはずもなく、ハルはフォクシーがまた汚い手を使ったのだろうと、目を細めた。


動けないルフィをフォクシーは何度も殴り、その度倒れ込むルフィだが、必ず立ち上がる。




「何なんだ!?おまえは…」


何度でもゆらゆらと立ち上がる彼の姿に、フォクシーも冷や汗を流しながら呟く。



そして大きく息を吸ったルフィはその場にいる全員に聞こえるほど、大きな声で言いはなった。





「…おれの仲間は…誰一人…!死んでもやらん!!」


その一言に全員が胸を打たれる。

『………』


それでも逆上したフォクシーがルフィを殴り飛ばし、ルフィは甲板に膝をつく。ハルに先ほどまでの眠気はなく、空色の瞳でしっかりと彼の勇姿を見つめていた。



「これで終わりだァ、麦わら!ノロノロビーム!!」

フォクシーの拳から放たれるビームに、ルフィは同じく拳を突きだした。









 

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