02
ゲーム開催直前、対戦相手のフォクシー海賊団による多くの屋台で賑わっている。
その中にあるステージ上には、両海賊団の船長であるルフィとフォクシー、ゲームの説明をするポルチェの姿。
『あの割れ頭が船長ね…』
リンゴあめを舐めながら呟くハルは、ポルチェの説明に耳を傾けた。
デービーバックには敗戦における三箇条があり、デービーバックファイトによって奪われた全てのものはデービーバックファイトによる奪還のほか認められない、勝者に選ばれ引き渡された者は、速やかに敵船の船長に忠誠を誓うものとする、奪われたシンボルは二度と掲げることを許されないと、説明される。
フォクシーにゲーム数を聞かれたルフィは、多い方がいいからという理由で3ゲーム戦を選んでしまった。
ぎゃあぎゃあと騒ぐナミやウソップ。ハルはといえば、今度はたこ焼きに手を出していた。
『勝ったらさ、あの海賊団の誰かがあたしたちの仲間になるんでしょ?…複雑だ。』
ハルの正直な気持ちにロビンは苦笑する。そんなハルのためにサンジは次々と食べ物を運んでいた。
第一ゲームのルールが発表される中、麦わら海賊団は3チームに分かれ船を作る。
『…なんであたしは不参加なわけ?』
むすっとうつむきながら焼きそばを食べるハルは、全く緊張感がない。
「ハルには二回戦に出てもらうわ」
『なんで二回戦だけ?どうせやるなら全部…』
「全部は無理だって」
呆れるウソップに続いてチョッパーがぐっと拳を握る。
「ハルの分までおれ、頑張るからな!」
『…頑張って』
納得のいかない様子のハルだが、やる気満々のチョッパーに黙り込んだ。そんなハルの背を見ながら、ゾロとナミがこそこそと話している。
「なんでハルを出さねぇんだ?あいつがいりゃ戦力にもなるだろ」
「ええ。仲間を失いたくないから本気になるでしょうね…」
「なら…」
「そこが問題なのよ!あの子人一倍頑張るだろうから、無理はさせられないわ!」
ナミの訴えに「確かにな…」と呟くゾロは、いまだむすっと不機嫌なハルに静かに微笑んだ。
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