02

 





『つまり、あたしたちがそこにいって…』

「実験止めさせたらいいんだろ?」

「楽勝じゃんか!」


楽観的思考の三人――ハル、悟空、リクの言葉に青筋をたてながらも頭を抱える三蔵。今は4人で悟浄と八戒のもとへ向かっている最中、森の中だ。



「で、悟浄と八戒に確かめたいことって?」

「……!それは…」

「『…来る』」





――ガサッ


双子の声が遮ったかと思うと木々が擦れる音が聞こえた。その瞬間ばっと飛び出してくるのは四体の妖怪。

悟空は叫びながら"如意棒"を手にするとそのうちの一体を叩き飛ばす。


闇雲に仕掛けてくる妖怪の攻撃を華麗に避ける三蔵は、素早く相手の背後に回り首もとに一発入れた。



『なんだよー』

「ケンカ売ってんの?」


けろりと攻撃を交わしながら相手を挑発する双子。

吠える妖怪ににやっとするとハルは片手を相手に向けると紅い弾を放ち、リクはいつの間にか手に現れていた剣で妖怪を真っ二つにしてしまった。





――ザッ


四人で背を合わせるように立ち辺りを見回すといつの間にか妖怪の群れに囲まれていた。


『ねぇねぇ、なんでこいつら…』

「ケンカ売ってくるわけ?」

「ま…まさかこいつら全部…!?」

「牛魔王に寝返った妖怪どもだ」



舌打ちをする三蔵に殴りかかろうとする妖怪たちを倒そうと動き出す三人だが、彼らにも多くの妖怪が襲いかかる。




「…くっ……」


一体の妖怪の攻撃が三蔵の頬を掠めた。


『……っ…!』

「サンゾー!」


三蔵の目の前には依然ニヤニヤと笑う妖怪がわらわらと集まっている。




―――ズドオォン


再び舌打ちをする三蔵の背後でものすごい衝撃音が響く。



『………や……んだ…』

「おい…ハル」


ハルの蘇芳色をした瞳の瞳孔は開き、今にも暴れだしそうな雰囲気を纏っている。

彼女を襲っていた妖怪は跡形もなくすでに灰と化していた。リクが困ったように頭をかきながら声をかけるが反応を示さない、が。




『おまえら三蔵に何やって…っ!』

――ヒュンッ


風を切る音と共に妖怪たちの身体がバラバラに切り落とされた。







 

mae ato
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