「あれ?」
教室に残って日誌を書いていた赤司は不思議そうな声が聞こえて顔を上げる。
帝光時代からの友人、久遠がドア付近にもたれかかって赤司を見ていた。
「・・・やあ」
随分と久しぶりだね、と笑った赤司に久遠は嬉しそうに笑う。
「ウィンターカップ、二位だったんだってね。おめでとう」
「それは嫌味だと捉えてもいいのか?」
「ご自由に」
そういえば、幾分か髪の毛が伸びたように思う。
ちょいちょいと手招きする赤司に逆らうことなく近づいて来た久遠の髪の毛を触る。
彼女は別段驚く様子もなく、「伸びたでしょ」と笑った。小さく頷けば、久遠はまた嬉しそうに笑う。
彼女の笑顔を見るのは、久々だった。
「赤司だよね」
その言葉にこめられている意味は、理解している。
赤司は薄く笑い、再度小さく頷いた。
「ほんとに、久しぶりだね、赤司」
「・・・そうだな」
「ねー、赤司」
「なんだい?」
「おかえり」
「・・・・・・・ああ、」
ただいま。