「え?スキー?」
《そう》
電話越しに聞こえる征くんの口から聞こえてきた言葉を反復する。
バスケ部で行くことになったんだけど、君もどうだい?と続ける彼に待ったをかけて、私は頭の中で考えた。
スキー?遊びの?それとも合宿のついで?
合宿だったら私もう行きたくないよ寒いししんどいし!
でも征くんの誘いを断るのは気が引けるというかこの口調はもう私参加するって決まってるようなもんだよね・・・
「スキーって・・・その、」
《ああ、ただの遊びだよ。合宿ではない》
「エスパーか!」
考えてることを当てられて、もうなんかさすが征くんって感じだ。
うーんじゃあご一緒させてもらおうかな、と電話口に向かって言う。
あいつらもよろこぶよ、と笑みを含んだ声音で言われ、私が嬉しくなってしまう。あ、なんか楽しみになってきたかも。
《もちろんオレも久遠が来てくれると嬉しい》
「征くんておだてるの上手だよね」
《オレは嘘はつかないよ》
「照れるからやーめーてー!」