ぼさぼさの髪の毛を櫛で梳いて・・・若干はねてるけど気にしない、青峰氏だし大丈夫だろ、うん、大丈夫・・・自分の女子力の無さに少し悲しい気分になりながら、タンスを開ける。


「・・・ねえ造ちゃん」
「あァ?」
「どの服着ればいいんだろ」


開けてみたのはいいものの、中にあるのは外出用に着ていくようなそればかり。
趣味が趣味なだけにあまりきらびやかなのではないけど、それでもやっぱりこれを家の中で着るのは気が引ける。
ドアの外にいる造ちゃんは、今の服装のままでいいじゃねぇかと言った後に小さくくしゃみをした。


「つーか早く入れろ。さみい」


***


「・・・まあ大方予想はしてたけどよ、ほんっと色気ねぇのなお前」
「開口一番でそれ言うのやめてくれる青峰氏よ・・・」


結局服はそのままに(ジャージ上下着用)、インターホンが鳴ったから出てみればそこには造ちゃんが言ったようにマフラーに鼻まで埋めた青峰氏の姿。
ほんとにきた、と呟けばオレが嘘つくわけねぇだろ、と笑う造ちゃん。


「来てもなんにもないのに・・・」
「まあそうだけど暇を持て余すよりいいだろ」
「否定してほしかった」
「おう青峰」
「あ、虹村さん」
「あれ?造ちゃん帰るの?」
「おー用事思い出したわ」


ジャンパーを片手に玄関に降りてきた造ちゃんは、青峰氏と入れ替わるようにして靴を履く。
ゆっくりしてけよ、とまるで自分の家のような振る舞いに少し納得がいかなかったけど。
小さく頷いた青峰氏の後ろから勉強ガンバ、と声を掛ければ、嫌そうな顔をして出て行った。


「・・・ほんとになにするの?」
「・・・さあ?ま、別になんも求めてねぇし、お前とは居るだけでなんつーか、楽しいし」
「それ狙って言ってるの?青峰氏」


ほんと、もう。

若干火照る頬を隠すように、先陣をきって階段を上った。

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -