セミロングの髪の毛をかきあげれば、きれいなうなじと、白い白い肌が覗く。
細身な首筋はどこかそそるものがあって、思わずちろりと覗かせた舌を這わせれば、小さな肩が揺れるのがわかった。

メロ、

自分の名を呼ぶ声は羞恥からか震えていた。
メロは、首筋から顔を離すと今度はそのまま顎を持ち上げ、柔らかい唇にキスを落とす。
くぐもった声が漏れた。それすらも愛おしい。

触れるだけだったそれは、徐々に深さを増し、絡み合う舌に息が出来なくなる。
それでも一瞬でも離れたくなくて、互いの酸素がなくなるまで求めて、求めて、涙目になった彼女の目尻に浮かんだ涙を掬い、少し離れてからすぐに噛み付く。

大きな傷となって残った顔の火傷に伸びる小さな手。


クオン。


その手をつかみ壁に押し付け、メロは一心不乱に口付けた。


「め、っん・・・!めろ、メロ、ふっ」
「、は」


▽▲▽


遠い過去の日だ。

帰ってこなくなった彼を想い、その頃よりも細くなった指にはまるリングを見つめる。
思い出となってしまった彼とともに、何度も捨てようとした。
けど出来ない。今だって、枯れたと思っていた涙で、視界が滲んでしまうのだ。


彼の腕の中で眠る。
彼の食べかけのチョコレートを、奪って食べる。
彼の長めの髪の毛で遊ぶ。

触れ合う。抱きしめる。キスする。重なる。繋がる。

いつだって傍にはメロがいて、


「・・・メロ」


その呼びかけに返ってくる返事も、温かくて乱暴な口付けも、もう、亡い。


メロ。

頬につたった涙が、光に反射しながらリングの上に落ちた。


彼はもう居ない

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