青峰氏と仲良くなると、必然的に緑間珍太郎とも喋るようになった。
「あ、珍太郎おはよー」
「真太郎なのだよ」
今日のラッキーアイテムは日傘なのか、珍太郎は可愛らしいフリフリレースのついた日傘を手にしていた。
絶妙にアンバランスで思わず吹いたら睨まれた。あんまり怖くなくてまた笑ったら今度はため息をつかれた。
「人事つくしてるね良いことなのだよ」
「真似をするな」
「似てた?」
「似てない」
ちぇ。
眼鏡を奪ってかけてみる。
焦ったように手を伸ばしてきた珍太郎だけど、よほど目が悪いのか私がいない場所を掴んでいた。
うわ、度がキツすぎてくらくらする。
「返せ楸!」
「つかまえてごらんなさ〜い」
「なにも見えん・・・!」
「お前ら何してんだ?」
俺も混ぜろよ、と青峰氏が近くの椅子を引いて座った。
いやただ珍太郎で遊んでただけなんだけどね。
それにしても眼鏡取った珍太郎がイケメンすぎる件。
噂のデルモに負けず劣らずだよこれ。眉間にしわが寄ってなければ、だけど。
「どんだけ目ぇ悪いの珍太郎」
「し ん た ろ う」
「はいはい」
奪った眼鏡をかけなおしてあげれば、意外にも近かった距離に驚いたのか目を見開いて慌てる珍太郎。
初だね。
「いやん珍太郎可愛い」
「キモい」
「真太郎なのだよ」
もはやニックネームじゃないだろうか珍太郎。