季節は真冬。厚着をしても、ぴんと張り詰めた空気が隙間から入り込んで体温を奪う。
「ロックオン…寒い…」
温もりを求めて傍らに座るロックオンにぴったりと寄り添うと、ふわりと包み込むように腕が回される。
「大丈夫か?」
じんわりと伝わる暖かさも、満足のいく温度には程遠くて。
「……まだ寒い…」
「あ、おいオニキス!?」
オニキスはおもむろにロックオンの腕から擦り抜けると、彼の着ているセーターの中に身を滑り込ませた。モゾモゾと潜り込み、首元から顔を出すと、呆れたように笑うロックオンと瞳がぶつかる。
「お前なぁ…どこ入ってんだ。」
「ん…、あったかい。」
そう言って満足そうに微笑むオニキスに頬を緩め、柔らかな髪にそっと唇を寄せる。
「…ったく、セーター伸びちまうだろ?」
甘い香と、普段よりずっと近くに感じる温もりの心地よさに包まれながら、冬の寒さに少しばかり感謝して。
咎めるような口振りとは裏腹に、ロックオンは自分のセーターの中に納まったオニキスの身体をそっと抱き締めた。
暖かな冬それは隣に君がいるから。
20080919
← →00TOP