2074年の科学技術が発達した国。国としての名称はなく、帷は「匣」と呼んで忌み嫌っている。海外との交流も途絶えつつあり、鎖国に近い状態。

◇異端者
政府によって成立した「異端者制度」で登録されたものたちの総称。十数年前に発令したこの制度は先天性・後天性に限らず外見、能力・知識が一般市民と異なる場合、否応なく異端者に登録するというもの。一度登録された異端者は研究・訓練の為に施設へ連れて行かれるが、ほとんどはその実態を知ると逃げ出してしまうので保安官によって捕獲活動が行われる。

◇施設
国直轄にある研究施設。各エリアでの治安を守るために保安官を配置しているが実態として逃亡中の異端者を捕獲している。施設に連れてこられた異端者は身体的能力がある場合には各種実験に協力させられ、ほとんどは戦闘訓練を積み上げていく。訓練はいわば殺しの為で、常に相手を殺す勢いで臨まなければ命はない。訓練を乗り越えた者は特別待遇を得て東京第一特別区に住居を持つことが出来る代わりに保安官と共に異端者捕獲に参加する。

【地域】
全国には北は北海道・東北エリアから南は九州エリアまで50の地区に分けられている。各エリア内地区は施設から遠い場所ほど保安官の監視が少なく、異端者でも比較的普通の暮らしが出来る。逆に関東エリアなど近い場所は常に保安官と異端者の激しい対立が起きており、日常茶飯事に命がけの鬼ごっこが行われることが多い。地区によっては異端者が支配しているところもあるとか。

◇東京特別第1区
国会や施設がある地区。最新技術を取り入れた高層ビルが立ち並んでいる。重要箇所から少し離れた場所に居住区域があり、地区内には保安官や議員、研究者といった許可を得たものしか入ることが許されていない。登録された異端者も施設で生活するので強制的に連れて来られる。また、捕まえる側となった異端者も特別に住むことが出来る。

◇関東エリア第4区(千葉付近)
主人公・篠目、帷、蒼空がいる地区。施設から近い場所にあるため頻繁に保安官に見つかりやすい。北に行くにつれて生活が安定してくるので逃げる異端者も多い。これといった通称はなく、人によっては「棄てられた街」や「名もなき街」と呼んでいる。

◇関東エリア第5区(神奈川付近)
通称「堕ちた街」。追いかけっこが多い地上と地下に分かれている。地上で暮らすには古びた家が並ぶ上生活に必要な家具は少ない。対して地下は闇金、犯罪がある代わりに保安官に遭遇することもないので異端者たちが隠れ住むのに快適な場所。スーパーなど生活面に便利なものもあり、一般市民も数多く暮らしている。また様々な娯楽もあり、アイラ率いるサーカス団は地下を拠点としている。