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≪ザワザワザワ≫

騒がしいクラスの中に担任が入って行く。
ウチは教室の外で待っていた。

「席に座れ!!今日は転入生が来たぞ〜。」

担任の声が響き、イスを引く音や期待をしている声が聞こえた。

「黒羽、入って来い。」

≪ガラッ≫

担任に言われ、ドアを開ければ一斉に集まる視線。

「黒羽皐月。よろしく(ペコ)」

教卓に上がり、軽い礼と共に自己紹介をすれば盛大な拍手が送られた。
一応は歓迎されているようだ。

「黒羽、お前の席は沢田の隣な。沢田手挙げろ。」

「はっはい!」

担任の声で、栗色の髪をした男子が手を挙げた。
教卓から降りて、沢田と呼ばれた男子の隣に行く。

ウチの席は廊下から3列目、後ろから2番目という案外良い席だった。

「えっと俺、沢田綱吉。よろしくね黒羽さん。」

席に付いたら声を掛けられた。
沢田綱吉と名乗った男子は、優しい男の子という雰囲気だった。

「(沢田も葉月を虐めてたんじゃろうか・・・。)」

沢田の顔をジッと見て考えてしまう。

「どうしたの?黒羽さん?」

「あっいや、何でもない。よろしく。(バレん為にも今は考えんほうがええな。)」

沢田の問いに焦って答えれば、沢田は前に向き直ったので、ウチも前を向いた。

≪キーンコーン、カーンコーン≫

チャイムが鳴り、SHRが終わった瞬間、ウチの周りに人が集まる。
「どこから来たの?」とか「さっき方言使ってなかった?」などの質問を四方八方から言われ、ウチが苦笑いをしていると、人の波を掻き分け、カチューシャをした金髪の女子がウチの前に来た。

「あたしぃ西園寺百花って言うのぉ。よろしくね皐月ちゃん♪」

語尾を伸ばし、にこやかな笑顔で話す。

「こちらこそ」


その時のウチの顔は張り付けたような笑顔だっただろう・・・。




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