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キャサリンに怒鳴っていると、司会者の叫び声が聞こえてきた。なんだ、とテレビに視線を戻すと銀ちゃんが神楽ちゃんに投げられ、エリザベスとぶつかっている姿が映っていた。
【これは、坂田さん。定春くんが自分に食らい付いてくるのを利用してエサになった!猛然と駆ける定春くん!しかしエリザベスちゃん!既に骨に手を…!?】
エリザベスが骨に手を伸ばすと銀ちゃんが後ろからそれを押さえた。だが、その更に上から桂さんが押さえた。すると桂さんの額から血が流れ出た。
【……なんだかんだ言っても御主人様が好きか?】
何と、定春が桂さんの頭に食らい付いていた。
【だがそれ以上かみつこうものなら君の御主人の首を折るぞ!さあどーする?】
【どーするじゃねーよ!通じるわきゃねーだろ!!】
【てめーらよォ!競技変わってんじゃねーか!!頼むから普通にやってくれェ!放送できねーよコレ!】
司会者がついに痺れを切らした時だった。
【あーもういいっスわ〜】
どこからともなく声が聞こえてきた。