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『へェ、じゃあ昔団子屋で働いてたお登勢さんに恋してたおじいさんが最後に会いたくて銀ちゃんに頼んだんだ?』
「あァ。…バーさんよォ、アンタひょっとして覚えてたってことはねーよな?」
「フン、さあね」
銀ちゃんの言葉にお登勢さんが返した言葉に私は笑った。かんざしを差し出された時、心なしかお登勢さんは懐かしそうな顔をしていたのを思い出した。
「さてと…団子でも食べにいくかィ」
『うん、て…あれ』
「ん…ああ」
お登勢さんの言葉に頷いた瞬間、振り向いたお登勢さんが若い女の人に見えた。銀ちゃんも見えたのか二人で顔を見合わせた。