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「今度は犬かィ?」
『しかも凄いデッカイの』
スナックお登勢へと戻るとお登勢さんに先ほどのことを全て話した。するとお登勢さんはひとつ息を吐くと「全く、餌代だってバカにならないのに家賃どうする気だぃ」と呟いた。
ガララッ
暫くして、突然お店の戸が叩かれた。部屋にいた私たちはなんだ、と視線を向け私が立ち上がりお店の戸を開けた。
『!銀ちゃん…と犬ゥゥ!』
戸を開ければ銀ちゃんと神楽ちゃんと先ほどの大きな犬がいた。私は思わず後ずさる。
「あァ…定春だ」
『いや定春だ、て言われても』
「とりあえずクソババアいるか?」
『お登勢さんだよ。ちょっと待って』
銀ちゃんからお登勢さんに用があるとのことでお登勢さんを呼びに部屋へと戻った。
「なんだィ」
『なんか銀ちゃんが呼んでる』
「…家賃でも払いに来たかィ?」
『だといいけどね』