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お妙さんのストーカー事件が収まった数日後、バイト帰りの私は電柱の貼紙を目をやった。
『なにコレ』
白髪の侍なんてこのご時世数が絞れるほどだろう。(…まさか銀ちゃん?いやでも真選組には顔知られてるだろうし銀ちゃんのことならこんな回りくどい書き方しないだろうし、白髪の侍って結構いるんだなァ)暫くそこに突っ立っていると「あ」と声が聞こえた。
「団子屋のなまえさんじゃないですかィ」
『…あ、真選組の』
「沖田と土方でさァ。その節はどーもすいやせんでしたねィ」
『あ、いやこちらこそ』
見覚えのある顔だと思えば真選組の沖田さんと土方さんだった。ぺこり、と頭を下げれば土方さんが先程私が見ていた貼紙をビリッと破りとった。
『なんで白髪の侍を捜してるんですか?』
私の言葉に土方さんは私を見た。(相変わらず瞳孔開いてるよこの人)
『へェ、じゃあ沖田さんと土方さんの上司がその白髪の侍にやられたって訳ですか』
どうやら二人の上司がどっかの白髪の侍にやられたらしい。(うん、銀ちゃんじゃなさそうだ。銀ちゃんが戦ったのはストーカーだし)(けど、沖田さんと土方さんの上司なら強そうなのに。それを倒す侍ってどんな人なんだろう)