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銀ちゃんと出会って早半年。スナックお登勢の2階に出来上がったのは"万事屋銀ちゃん"。(何でも屋なんだとか)
私は時々スナックお登勢を手伝う時間まで万事屋に入り浸っている。(そして時々仕事を手伝わされている)(なのに何も見返りがない)(この前文句言ったら読み終わったジャンプ渡された)(ジャンプ買う金あるなら給料渡せよ)(顔面に投げつけてやった)
『銀ちゃーん』
「なんだ」
銀ちゃんは万事屋の仕事場とも言える部屋の椅子に座り読んでいるジャンプから目を離さずに私の言葉に返事した。
『暇だよー』
「じゃ銀さんと『やめてください訴えますよ』…まだ何も言ってねーよ」
『アンタの考えなんかわかるよ変態が』
「…暇なら客でも捕まえてこい」
『嫌だよ私万事屋の人員じゃないもんスナックお登勢の店員だもん』
「じゃくんじゃねーよ」
銀ちゃんの突っ込みに私は『ちっちっち』と言いながら指を横に振った。
『わかってないなァ、銀ちゃんが暇で暇で退屈してるんじゃないかと思って私が相手してあげようと来てるんだよ』
「お前が暇なだけだろ」
それからも暫くソファでごろごろしてるとぐるる、と私のお腹が鳴った。
『銀ちゃん私のお腹が悲鳴上げてる』
「知らねーよ」
『銀ちゃんパフェ食べたい』
「あー…お前がんなこと言うから俺も腹減っちまったじゃねーか」
そう言って銀ちゃんがジャンプを閉じて立ち上がった。それを見た私もソファから勢いよく飛び上がった。
『やった!私フルーツパフェね!』
「ああ?何で俺がお前の分まで奢らなきゃいけねーんだ。お前どっかの団子屋でバイトしてんだろ」
『よく仕事手伝ってあげてるんだからいいじゃない』
「んな事したら今度は俺の財布が悲鳴上げちまうよ」
『いーからいーから』
「いやいーからいーからって俺の財布だからね今月ピンチだか『さーレッツゴー!』人の話を聞けェ!!」
なんやかんや言いながらも銀ちゃんは私を連れて甘味処にやってきた。
『私フルーツパフェで!』
「やっぱりチョコレートパフェだろ」
『チョコレートパフェって、そんな甘いもんばっか食べてたら糖尿病なっちゃうよ』
「なになに、なまえちゃん心配してくれてんの?銀さん嬉しいなァ」
『(パフェ早く来ないかなー)』
「あれ?なまえちゃん?無視?話ふっといて無視ですかコノヤロー」
銀ちゃんが何か言っていたが私は頼んだパフェが来るのを待つのに必死だった。