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「お通ぅぅぅ!早く逃げろォォ!」
脱獄犯は必死に天人と戦うが、簡単に飛ばされてしまう。それを見ていた新八くんたちも天人へと立ち向かった。もちろん、私たちも木刀を取り出した。
暫く気を失っていた脱獄犯は目を覚ました。それとほぼ同時に天人を倒すと銀ちゃんが脱獄犯に向かって小さい花束を渡した。(…銀ちゃんもなんだかんだ言って優しいんだから)
「そんなもんしか見つからなかった」
『百万本は流石に無理だけど、愛情があれば大丈夫』
私もニッと笑うと再び会場から出ていく。だが、脱獄犯たちが気になる。
「どうしたアルかなまえ?」
『あ、先に帰ってて。私会場に忘れ物したから』
「?わかったアル」
神楽ちゃんたちは頷くとそのまま歩いていく。私はそっと壁にもたれた。脱獄犯たちの声が微かに聞こえる。(…子供は大好きな親の言葉は覚えてるもんなんだよ)