Rocky and Funny!! | ナノ






「オーイオイオイオイ」

珍しく今日は早々に団子屋のバイトを終えて手土産を持って万事屋へ向かい、少しばかりゴロゴロと居座っていると新聞を読んでいた神楽ちゃんが声を漏らした。

「アイドルグループ「反侍」のGOEMON、できちゃった結婚だってさ」
『へーっあのチャラそうな人結婚したんだ』
「……腐ってんな」
「ホント、世の中腐ってますな。どいつもこいつもやれ同棲だのできちゃっただ物事の筋道ってのが揺らいできてますよ。古き日本の美徳はどこいっちゃったんでしょ?」
「いやそーじゃなくてよ。コレ白カビみてーの生えてんだよ。これカビだよな?」
「確かにカビの生えた古くさい考えかも知れないですけど、やっぱり人間っていうのは自分を律する精神が無くなったら終わりじゃないですか」
『良いこと言うね、新八くん』
「いやそーじゃなくてよ。コレいつ買ったんだ?賞味期限切れてんだろ」
「そう!女達も賞味期限とか気にしすぎネ。自分を安く売っちゃダメアルヨ」
『神楽ちゃんも珍しく凄く良いこと言ってる!』
「オイいい加減にしろよ。腐ってんだよコレ。誰だ?出したのコレ」


「「『ホント腐ってるよね〜』」」


「ああ腐ってる。お前らの頭が腐ってる」



暫く私達が銀ちゃんの言葉を軽く流していると、居た堪れなくなった銀ちゃんは「クソッ」と言いながら立ち上がり、外へと出かけて行った。残された私はちら、と銀ちゃんが出て行った玄関に目をやった後、新八くんと神楽ちゃんへと口を開いた。

『とりあえず合わせて悪ノリしてみたけど、どーしたの二人とも。銀ちゃんに腐った食材出したの?』
「偶然アルヨ」
「でもたまにはあれくらいの態度見せとかないと、いつまで経っても給料貰えないですし」

至って落ち着いた表情で答えた二人に、ちゃんとこの子達は成長していってるんだな〜なんて呑気に感心していた。




ドゴォッ!!



『ん?なんか今音した?』
「確かに。鈍い音がしましたね」

ふいに外から聞こえた音に私達がなんだ、と玄関へと目を向けるとお登勢さんがやってきた。

『アレ?お登勢さんどーしたの?』
「もしかして今のお登勢さんですか?」
「朝からどーしたアルカ」


「ちょいとアンタら降りといで」

私達の質問を余所に、お登勢さんは下へと手招きすると、私達は顔を見合わせ首を傾げながらも下のスナックお登勢へと向かった。





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