Rocky and Funny!! | ナノ






そんな私達に新八くんはいつものツッコミを入れた。私達はお互いに顔を見合わせると一斉に新八くんを見た。

「缶蹴りだ、純然たる。小さい頃を思い出してみろ。風で缶が飛ばされて折角捕まえた人質がパーになって泣いている鬼がいたろ。アレがアリならコレも…」
「ナシだろォォ!!自然現象でも何でもねーし!」
『えっ缶蹴りって遠くから石やネズミ花火投げられるの阻止しながら戦うアレじゃないの?私いっつも鬼で頑張って缶守ってたんだけど』
「違うから!それ多分皆に騙されてるよ!!」
「貴様は甘いんだよォォ!!缶蹴りはなァ、いかに憎たらしく缶を倒し鬼を虐め泣かせるか。そーいう悪魔の遊びでもあるんだよ!!鬼になったらもう終わりなんだよ!何回も何回も缶倒されて皆が隠れるまで100数える間に数数えるフリして何回泣いた事かァァ!!」
『ぐすっ…その気持ちわかるよ神楽ちゃん』
「そんな苦くも酸っぱい遊び…」
『そう…』




「「『それが缶蹴りだァァ!』」」




ブンッ!




「……」

私達は一気に石を缶目掛けて放り投げた。そんな私達を新八くんは後ろで少し哀れんだ目で見ていた。

『…アレ?一個だけ方向違うくね?』




ゴッ!!




私達の投げた石の一つが、何故か缶とは全く違う場所へ向かって行ったと思えば、それはおじいさんの頭へとクリーンヒットした。その石はどうやら、神楽ちゃんが投げた石らしく、おじいさんは石がぶつかると地面へと倒れこんでしまった。(や、やばくないかコレ…!)

「おいィィ!!缶蹴りどころか人殺しィィ!!コレは純然たる人殺しだよ!!」
「チワワぁぁ!誰がジジイに当てろと言ったァァ!!」
「軍曹ォ!お言葉ですがアレは軍曹の投げた弾であります!軍曹会議ものですよコレは!!」
「フツーに裁判沙汰だよ!人殺しがァァ!」
『そんな事より早く救急車を…!!』



「!?ちょっと待て!」

思わぬ事態に私達があたふたしていると、地面に倒れこんだおじいさんが何故か普通にムクッと起き上がり出した。

「起きた!普通に起きた!!」
「チッ」
『今舌打ちした?ねェ神楽ちゃん今舌打ちした?…アレ?ちょ、神楽ちゃん?何で傘構えてるの?』

ありえない光景に唖然としていると何故か神楽ちゃんが舌打ちをした。かと思えば手に持っていた傘を今度はしっかりとおじいさんへ狙いを定めてぶっ放し始めた。

「くたばれェェ!ジジイがァァ!!」
「だからそれ缶蹴りじゃねーって!!」
『神楽ちゃァァん!老人は労わらないと焼肉食べれなくなっちゃうよ!』





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