Rocky and Funny!! | ナノ


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突然定春が大きくなってしまい、それだけで事は終わらず今度は狛犬みたいな姿へと変貌し、突然二人の巫女と小さな定春が現れ、定春と同じ姿の狛犬になったりと、もう訳がわからない私は頭が破裂しそうだった。


ーどうやら、定春と狛子は神子というもので、詳しく理解は出来ない為大雑把ではあるが龍穴、黄龍門という場所を守る神の使いらしく、阿音さんと百音さんはその2体を奉り、黄龍門を共に守ってきた神殿の巫女だったんだとか。
次元が違いすぎる話だが、実際に起きている事は現実で、私は話を必死に飲み込んだ。そして狗神は力を解放しない限り、犬と変わらず大人しい。だが、いちご牛乳を飲んだ事が原因で力を解放してしまい、定春は現在あの姿になってしまったらしい。



「…で、ここからさっきの続きなんだけど」



阿音さんは経緯を一通り話し終えると、球場の隅に落ちていたボールを拾うと筆を取り出し星を描いた。

「この球に私が験力を込めたわ。これで今から皆にキャッチボールしてもらいます」
「キャッチボール?」
「ここには六人。とりあえず五人で球をやり取りすれば五芒星が描けるわ。五芒星陰陽五行の総称相克をあらわす宇宙万物の除災清浄となるいわば強力な魔除け」
『阿音先生、神楽ちゃんが授業についていけなくて寝てます』
「…要するに、この球の軌跡で五芒星を描けばこの球場に巨大な呪法陣を敷けるのよ。それにあの子を閉じ込めればあの子の覚醒も解けるかもしれない。…ただ一つ、問題なのは閉じ込めればいけないって事」
『…それって』
「そう。呪法陣作ってから中に招き入れても意味はないの」
「それじゃあ定春を囲いその攻めに耐えつつ五芒星を?そんなの無茶ですよ!」

阿音さんの言葉にふいに空気が重くなる。




「無茶でもやるしかないヨ。定春助けるにはそれしかないネ!」



『…神楽ちゃん』

そんな中、覚悟を決めた神楽ちゃんに私達は顔を向けた。すると、神楽ちゃんは深刻な表情で、頭にグローブを乗せ「ところでキャッチボールって何?」と私達に問いていた。

「…やっぱり無茶だよ」




ドォオンッ!!




不安しか無いと言った場の雰囲気の中、ドーム内から豪快な音が聞こえると結界を破ったのか定春が球場へと現れた。

「っ四の五の言ってる暇はないわよ!皆位置について!」

阿音さんの言葉を合図に、私達は覚悟を決めると急いで五角形になるよう散らばり始めた。私はとてつもないやる気を発している神楽ちゃんがとてつもなく不安で神楽ちゃんから離れないようついていく。そんな中を定春が勢いよく駆けてくると、私達をまるで獲物を見定めるかのよう見回した。





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