Rocky and Funny!! | ナノ






『…何とか、生きてる…』



どうにか、私達は死なずに済んだ。

バズーカを撃たれたと同時に沖田さんが私の腕を引っ張り抱きかかえられ、爆風から逃れる事が出来た。爆音が止み立ち上がれた私は、すぐさま神楽ちゃんと定春の安否を確認するとホッと胸を撫で下ろす。だが、未だに定春は走り続けており、しがみついていた神楽ちゃん共々大江戸ドームへと上っていく途中だった。

『…追いつくのにちょっと時間かかりそう』

「ん?オイ、なまえもいたのか」
『!土方さん…!』

大江戸ドームまでどうやって行こうかと考えていると、先ほどのバズーカ軍団を率いていたボスがやってきた。

『さっきのバズーカはなんですか!?私まで巻き込まれそうになったんですよ!』
「おお、そうか。悪ィな」
『悪いで済んだら警察はい…(この人警察だった)』



「土方ァァてめェェェェ!!」



「!総悟…てめー生きてたのか」

その時、ここにも被害に遭った人が一人。土方さんに藪から棒に刀を向け襲いかかったのは沖田さんだった。(…ん?うわっいつの間にこんなに人が…!)ふと、気がつけばこの騒ぎに気づかない人はいないはずもなく、いつの間にか人集りで一杯になっていた。テレビ中継も流れているというのに、真選組の二人はお構い無しと言った様子で闘り合っていた。






「冗談じゃねーぞ!!これ以上暴れられて負担背負わされてたまるかァァ!!」
「キャバクラで貯めたお金が!!パパに買ってもらった家がパーになるぅぅ!!」


『…ん?何?』

その時、バイクの走る音が2台、どこからともなく聞こえきた。音のする方へと振り向けば、そこには銀ちゃんと新八くん、そして巫女のような姿をした女二人が大江戸ドームへと走って来ているのが目に映った。(え、どんな状況?)



「銀ちゃ…!!」



同じく、大江戸ドームの屋根から銀ちゃんの姿を見つけた神楽ちゃんが声を上げた瞬間、定春を制止していた手が緩んでしまい、定春が銀ちゃん達へと襲いかかろうと走り出した。(待って待って。どんな状況?)私は未だ現状を理解できずに、銀ちゃん達と突然現れた女達と定春が銀ちゃん達へ襲いかかるも、必死にどうにか抑えつける様を今はただ見守る事しか出来ずにいた。

「銀ちゃーん!!定春を…定春をいじめないで!!定春苦しんでるヨ!!助けてって言ってたヨ!本当はこんな事したくないアルヨ!!」
「…手加減なんかしちゃダメよ。殺す気でいきなさい。じゃないと死ぬわよ」

神楽ちゃんの叫ぶ声に巫女の姿の女は静かに銀ちゃんへと何か話している。チラ、と女の足元を見るとそこには小さくなった定春が。(いや、似てるだけ…?)どうやら、定春を元に戻す事に関係しているのだと考えた。

定春が大江戸ドームの屋根から落ちるようにして、銀ちゃん達へと襲いかかる。銀ちゃん達はその場に立ち尽くしたまま動かずに、時を待った。




ドゴォッ!!!




「ぶごォ!!無理無理無理無理ィ!!こんなモン1分どころか10秒もつかァァ!!」

だが、銀ちゃん達は間一髪のところでその場から逃げ出した。何をしているんだ、とふと巫女の女達を見れば何故か陽気に笛を吹き一人が踊っている。(???)ますます状況が理解できくなった私は頭にハテナを浮かべていた。


『!銀ちゃん!新八くん!後ろ!!』
「!ぐォォォ!!」

その時、銀ちゃん達の後ろで大きく口を開けた定春が目に入るや否や私は銀ちゃん達へと声を張り上げた。私の声に気付いた二人はまたもや間一髪といったところでそれを避ける。だが、体勢を崩し木刀を落としてしまった新八くんへと定春は一直線に目掛けて走り出した。


「うわァァァァ!!!」


「新八ィィ!!」





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