Rocky and Funny!! | ナノ






「ぎゃああああ!!」
「化け物じゃああ!!」
「助けてくれェェ!!」
「だんじり祭りかァァァァ!!」


決してだんじり祭りではない。


定春は屋根から飛び降りるとそのままかぶき町を勢いよく走り出した。当然、町中はパニックになり逃げ惑う人々で溢れかえっていた。

「定春ぅぅ!!止まるアル!!メッ!伏せ!お手!おちんちん!おちんこ!」
『神楽ちゃん最後もう下ネタばっかだよ!定春!お願い止まってェェ!!』

全力疾走の定春の尻尾に掴まり、私と神楽ちゃんは何とか定春を止めようと大声を張り上げるが、聞こえていないのか全く止まる気配がなかった。

「ダメアル!全然言う事聞いてくれないヨ!」
『一体どうしてこんな……銀ちゃん』

いつまで経っても止まらない定春に私達はお手上げ状態だった。銀ちゃん達はアナウンサー達から逃れこちらへと来ているのだろうか。きっと神楽ちゃんも同じ事を考えていただろう。




ファンファンッ




その時、少し後ろからパトカーのサイレンが聞こえてくると、私と神楽ちゃんは一斉に振り返った。

【そこのチャイナ娘!止まりなさい!お前一体何キロで散歩してるんだ!道路交通法違反で逮捕する!今スグ停車しなさい!】
『おっ沖田さん!(ていうか停車って、犬なんですけど)』


パトカーが定春の隣につくや否や、メガホンで聞き慣れた声が聞こえてきた。そしてパトカーに乗り込む人物を見れば思った通り、それは沖田さんだった。

【アレ、なまえさんも散歩中ですかィ?困りやしたねィ。このままじゃなまえさんも逮捕しちまう事になっちゃうんでなまえさんだけ見逃すんで今スグ犬から離れて下せェ】
『離れられるならとっくに離れてます!』
「ってかこれが散歩に見えるのかボケェ!!止まれたらとっくに止まってるんだヨ!!バカだろ!お前バカだろ!!」
【ハイ、公務執行妨害で逮捕〜。おまわりさんの心を傷つけた〜】
「バカだ!お前はバカだ!」


『フザけてないでこの状況どうにかしろォ!』


【チャイナ娘!お前のペットだろ!どうにか出来ねーのか!】
「わからないヨ!全然言う事聞かないアル!」


「…しょーがねーな。なまえさんがいるから全力は出せねーが、力ずくでも止めるぜィ」

沖田さんはふう、と息をつきメガホンを車の中に置くとどこからともなくバズーカを取り出した。

「やめろォォォ!!そんなモン撃ったら定春死んじゃうヨ!!」
『沖田さんん!?おもっくそ全力出してません!?コレ定春どころか私達も死んじゃうって!!』
「大丈夫。なまえさんの力なら生きて帰れまさァ」
『結局自力じゃん!!』





「あばよ」





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