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バイトを終えて帰っていると何だかスナックお登勢の前が騒がしい。かと思えば人だかりが段々と減っていく。そこにはお登勢さんと銀ちゃんたちと気絶している飛脚がいた。(なんか店がボロボロなんですけど)
『―ふーん。で、銀ちゃんが大事な届け物を飛脚に頼まれたってわけね』
「しょーがねーなァ」
銀ちゃんは面倒くさそうに頭を掻きながらも届け物の宛先が書いてある場所へと足を向かわせた。
「なまえ」
『お登勢さん、お店が…』
「ここはあたしに任せて、アンタは銀時についてってくんないかィ。なんでも大事な届け物だって言うじゃないか。アイツらだけに行かせたら不安でしょーがないからね」
『うん、わかった』
お登勢さんに頷くと私は銀ちゃんたちの後ろをついていった。
「ここであってんだよな」
『戌威星の大使館への届け物となればよっぽど大事なものなんだろうねコレ』
「オイ」
私たちは大使館へと着き、建物を見上げていると突然誰かに声をかけられた。誰だと振り向くとそこには犬が門番みたいな格好をして立っていた。
『えっ犬が立ってる』
「なまえちゃん!失礼だよ!」
「こんな所で何やってんだてめーら」
「いや…僕ら届け物頼まれただけで」
「オラ、神楽、なまえ、早く渡…」
「チッチッチッおいでワンちゃん。酢昆布あげるヨ」
『犬って酢昆布食べるの?あっ私今日バイト先で柏餅貰ったからコレあげよ』
スパン!
私と神楽ちゃんを綺麗に叩くと銀ちゃんが代わりに届け物を犬の門番に渡した。だが門番がパシ、と振り払うと届け物は大使館の中へと落ちた。
ドカンッ!
かと思えば届け物が勢いよく爆発した。私たちはそれを暫く見ていたが、一瞬で足を動かした。
「逃げろォォ!!」
「待てェェテロリストォォ!!」
「!!」
『んぁ!!』
「!!」
門番に捕まった新八くんが銀ちゃんを掴み、銀ちゃんは私を掴み、私は神楽ちゃんを掴んだ。
「新八ィ!どーゆーつもりだ!離しやがれっ」
「嫌だ!一人で捕まるのは!」
『新八くん心配しないで!銀ちゃんも一緒だから!』
「私に構わず逝って二人とも!」
「ふざけんな!お前らも道連れだ!」
後ろを振り返ればいつの間にか犬がわんさかいた。(わんさか…いやギャグ言いたかったんじゃなくて)私達は危機に晒されていた。だが、ずっと門の前に座っていた男が突然立ち上がり門番達を次々とのした。
「逃げるぞ銀時」
「!おめーは…」
『(アラ、男前)』