Rocky and Funny!! | ナノ


15



「ちげーよ。ペガサス流星群はこう始まってだな」
「お前、アレはペガサス座の軌跡を描いてんだよ。お前のそれメチャクチャだろ」



「服部ィィ!てめっ何やってんだァァ!!中学生の休み時間かァァ!!ちなみにあの技はこうだ!アニメ全部録画してた!!」

遠山珍太郎が服部を見遣れば、何故かそこには戦っている姿など一切なく、聖侍聖矢の技はどうだったかと談義を繰り広げていた。(お奉行まで参加しちゃってるよ)チラ、とさっちゃんと弁財天の薫を見れば、あちらもあちらで女特有の陰湿な戦いを繰り広げていた。この状況は何だか長引きそうだと感じた私は気を重くした。




「銀サン!!早く決着つけないと神楽ちゃんが!」
「あァん?」
『えっ神楽ちゃん、一体どうしたの…!?』


すると、向こう側で深手を負ったのだろうか神楽ちゃんがうずくまりながら苦しがっている。私は心配になって神楽ちゃんに少しでも近寄れば、どうやらカレーをつまみ食いしたらしく、そこには桂さんが仕込んでいた薬が入っていてお腹が痛くなってしまったのだとか。(…心配して損した)

「ヒロイン史上最低の暴挙になるよ!」
「なんかイマイチモチベーションがなァ…エリザベスがどうなろうが神楽がもらそうがどーでもよくてよォ」
「白髪ァァ!てめー私が復活したあかつきには目の前でウンコしてやるからな!」
『銀ちゃん!私も早くここから出て帰りたいの!だから頑張って戦って!』
「あーもうちょい…こう…なまえちゃん、ソレ服脱いでもっかいそれ言ってくんねーかな。そしたら銀サンのやる気が」
『いーから早くやれってんだよ腐れ天パが』



ガンッ!



「(いい加減、なまえの機嫌が悪くなってきた)…外野がうるさくなってきたな。そろそろ決着つけるとするか」
「(絶対今怒られたからだろ)…そうだな」

痺れを切らした私がその辺に適当にあった鈍器を投げつけると、やっとやる気になった二人は気を取り直して向かい合い、それぞれに構え出した。

「てめーとはヤケに話が合うな。もっと違う出会い方したかったもんだぜ」
「…いやだから、前に違う出会い方してるって言ってんだろーが!!!」



ドォンッ!!



服部全蔵はどうしても初めて出会った時の事を覚えてない銀ちゃんを根に持っていた。そして、言葉を発すると同時に煙幕を散らし、その場から姿を消した。

「!?消えた!?」
「一体どこに!?」


『!銀ちゃん!後ろ!!』


私達が呆然とその場を見ていた時、ふと銀ちゃんの後ろに気配を感じた私は声を張り上げた。


ズドドドッ!!


私の声に素早く反応した銀ちゃんは、床下から襲いかかってきた苦無を間一髪にかわす。その時、どこからか甘い匂いが鼻をツンとさせた。かと思えば、銀ちゃんの動きがピタリと止まってしまった。(!何…?)それどころか、自分たちの体も動かない。

「どーなってんだ…身体が…」
「ホーホホホ!私のバラの香りはどう?忍法【呪縛旋花】!私の毒バラの香りをかいだ者は身動き一つとれなくなるわよん!」

どうやら、匂いの根源は弁財天薫の毒バラらしい。

「さァ今よん全蔵!とどめをさしなさい!ホーホホホ!」


「臨兵闘業皆陳列…」
「!!猿ぅぅ!!」

銀ちゃんが身動きをとれない今、服部全蔵には大チャンスだ。だが、さっちゃんが何かを呟きながら納豆をねりねりと練り混ぜている。

「なんで動けるの!?私の技が…!!まさか!納豆の匂いで私のバラの香りをかき消した!?」



「忍法ねば〜ぎぶあっぷ!!よみがえれェェ!銀さん!!」
「死ねェェェ!ジャンプ侍!!」



さっちゃんは一頻りに練り混ぜた納豆を銀ちゃん目掛けて一気に投げつけた。それと同時に床下から服部全蔵が現れた。



どちらが先か。



ニヤリと銀ちゃんは笑った。

「死ぬのは…てめーだァァァァ!!」





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