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「てめーは俺が相手だ。ジャンプ侍ィィ!!」
鉄格子により二手に分かれた早々に、銀ちゃんに襲いかかってきたのは服部全蔵だった。
「まさかこんな所で会えるとはなァ。てめーのおかげで俺ァなァ、ジャンプ読む度にてめーの顔がチラついてイライラして読書出来なくなっちまったんだよォ」
『…銀ちゃんも知り合いだったの?』
服部全蔵の言葉からして、二人は初対面ではないらしい。(銀ちゃんてばよく喧嘩売ってるなァ)だが、銀ちゃんには覚えがないようで、んーと思考を巡らせていた。
「待て待て。えーと…ジャンプジャンプ…あっ!アレだ!ジャンプ借りたっきり返してなかった磯村君?待て、あれにはワケが」
「服部って言ってんだろーが!!」
『…(この人も土方さん同様の被害者か。可哀そうに)』
結局思い出せていない銀ちゃんに服部全蔵は更に腹を立て、銀ちゃんに幾度となく襲いかかってきた。
「銀サン気をつけて!その人はホントに危…」
「気をつけるのはアナタよん」
「!!」
ズガガガッ!
さっちゃんが銀ちゃんに向けて言葉を放った瞬間、どこからか声が聞こえてきたかと思えば、すかさず薔薇が襲いかかってきた。
「フフ、流石だわん。その身のこなしまさしく猿...アラ、ごめんなさい。さっちゃんって呼ばなきゃいけなかったんだっけ?お猿さん?」
「アナタ…忍者学校のマドンナ脇薫さん?ごめんなさい、ケバくてわからなかったわ」
『ふあぁ…(早く終わらないかな。ていうか、マジで私帰っても良かったじゃん)』
さっちゃんも銀ちゃんも、鉄格子の向こう側にいる三人もそれぞれの戦いが繰り広げられている中、私は隅で早く戦いが終わるのを願いながら寝転んで眺めていた。
「まずい。私のデータによるとこのままでは次の話で倒される確率が99.8…」
「この話の最後だァァ!!」
何とも言えぬメタ発言から切り替わり、新八君と桂さんが広目天、松尾目掛けてかかと落としを繰り出した。これで向こう側の敵は全て全滅した。それにより遠山珍太郎は焦りを見せ出す。
「おっ…おいィィィ!!何やってんだてめーらァァ!服部!どういう事だ!最強の五人じゃなかったのか!?」