Rocky and Funny!! | ナノ






「なして、こんなトコにゴミなんかあったんだべか?」
「知らね」

車を所用するおじさん達の会話からして、恐らく、いや十中八九破壊された何かは、本屋の周りをうろついていたゴミ箱だったのであろう。(と、言うことは…)



「「「「『……』」」」」



一仕事を終えたおじさん達は車に乗り込み去っていく。私達はその車を目で追い、静かに顔を見合わせた。

「……ねェ…ヤバいんじゃないスか、アレ」
「き…気のせいでしょ。ホントは誰も入ってなかったんじゃない?」
『そうですよ、きっと。そう言えば銀ちゃん、最近手品にハマってるとか何とか言ってたような気がする。ホラ、脱出系のやつ』
「そうだよね。あんなところに人が入ってたら死んじゃうもんね」


「じゃあ次は新八君の番ね」
「あ、ハーイ。いってきまーす」


銀ちゃんはきっとあのゴミ箱にはいなかった。そう決断に至った私達は気を取り直して、司令に戻った。次の番である新八くんも気を取り直し、本屋へと向かっていった。


「…アレ?」
「ちょっと……」

新八くんは本屋に向かいどんな術を使うのかと皆で見ていたが、特に何かをする訳でもなく、普通に好みのエロ本を手に取り、普通にレジへと向かい、少し慎重に店員に気付かれないようにそっとお金を置くと、普通に店を出てきた。(まさか…)(本日二回目)私達は気付いた。

「なんかすんなり…」
「なんか全然気付かれてない…」
『っていうか…』

そもそも、新八くんの存在など誰も気にかけておらず、存在感が薄いのだと。




「なんだよ〜オイ、忍者もクソもねーじゃねーか。地味だったら誰でもいけるんじゃねーかよ」
『!銀ちゃん!(うわっやっぱあのゴミ箱に入ってたんだ…)』

すると突然聞き慣れた声が聞こえたかと思いきやそこには、服も身体もボロボロになった銀ちゃんが、はあ、と大きくため息をついていた。

「バカらしい。良かったよ〜こんな茶番に参加しなくて」
『銀ちゃん…無事で良かったね』
「ん?いやこれはアレだよ。さっき便所行ったらチンピラに絡まれて。いやホントだって。マジで」
『それもそれでダサいよ』
「それより、ホラ、最後はなまえだろ」

『…あの、出来ればこんな惨劇に巻き込まれたくないので不参加でお願いします』
「…そうね。今回は色々とイレギュラーが起きたし、ていうか存在感薄ければ普通に合格出来る試練なんてやっても意味がないし、これ以上はやめときましょう」

出来れば銀ちゃんのようにボロボロな姿にも、新八くんのように地味だったらと思われるのも嫌だと感じた私が不参加の意志を示すと、さっちゃんも気持ちを汲み取ったのかこれで試験は終わりだと告げた。(心の底から良かった)





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