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「はァァ!?なんですかそれェェ!?そんなん忍者と全然関係ねーじゃん!!」
新八くんも私同様の気持ちを言葉に現した。
「これは忍者スクールにも正式に採用されている立派な試験よ。皆ここを通って大人になっていったの」
「違う意味の大人じゃん!」
「じゃあアナタ出来るの?」
「!」
するとさっちゃんはお手本を見せるように歩みを進め、素早く且つ誰にも気付かれないよう好みのエロ本を手に取り代金を支払うと店から出てきた。
「どう?出来る?」
(あ、やっぱそういう趣味なんだ)
手際の良いお手本を見せてくれたさっちゃんだったが、私達の視線を集めたのはお手本よりも選んだエロ本の"Mっ娘倶楽部"。
「ってか、こんな派手な格好で出来るかよ」
「エロ本である必然性もよくわからん」
「フッ怖じ気づいたか?貴様ら」
銀ちゃんと新八くんが派手な格好とエロ本である必然性の文句を溢していると桂さんが鼻で笑った。
「これしきでなれるなら忍者も大した事はないな」
「ヅラァ!!」
「見ておけ。こんなもの朝飯前…いやカレー時前だ」
『わざわざ言い直さなくていいんですけど』
「っておいっカレーは置いてった方がいいって!絶対邪魔だって!!」
「ダメアルヨ!絶対離しちゃ!お前はそれを溢すと死ぬからなカレーニンジャー!」
『神楽ちゃん!勝手に枷を増やしちゃダメだって。桂さんも気にしないでカレー置いてった方が…』
「ルージャ!」
『いいのかよ!』
「しかもルージャってなんだよ!ラジャーだろ!聞いた事ねーよそんな了解の仕方!」
「ま、まァとりあえず一番手がどうなるか見ておきましょ」
男前に引けをとらぬバカさ加減に引きつつも先陣を切った桂さんの試験を私達は見守る事にした。
シャッ!!
「速い!」
やはり攘夷志士と言ったところか、桂さんのエロ本を手に取る素早さに新八くんは思わず声を漏らした。私はと言えば、その手に取られたエロ本へと視線が向く。
『ひ、人妻が好み…』
「な?あいつは根っから変な野郎だ。この機会にヅラなんか諦めて俺にしとけって」
『…銀ちゃん、戸籍上だけ結婚して下さい。そうすれば一応人妻になれる…』
「おいィィ!何で合わせようとすんの!?そんなにヅラがいいのかァァ!」
「(何言ってんだ、この人等は…)す、凄い。女の子達も気付いてませんよ」
桂さんが人妻好きだと発覚した事にショックする私を他所に皆は桂さんの動向を見守っていた。
「オイオイ、いけんじゃねーのコレ。あとはレジ…」
ボタッ
その時、片手に常備していたカレーが地面へと溢れてしまった。それを見た桂さんは硬直しプルプルと震えだした。
「…すまんリーダー…あとは頼…」
ドシャアァァ!!
「カレーニンジャー!!」
そして何故か口から血を吐き倒れてしまった。
『え?マジであのルール適用してたの?』