Rocky and Funny!! | ナノ






そして私達は寺へとやってきた。

「それじゃあ、あまり時間がないみたいだけど、今から忍の極意を即席でアナタ達に叩き込んであげるわ。いい?忍は誰にも知られず仕事を成し、仕事を成した痕跡すら残さない完全なる影…。だから目立つような事は厳禁」




「どこが隠密!?カラフルすぎるだろコレ!」




寺へとやってくると早速さっちゃんに忍者の衣装を渡された。だが、その服は皆違う色のハデなものだった。

「ゴレンジャーか!?」
「いや顔の見分けつかないから。私銀サン以外の人類は皆同じ顔に見えるの。あっ銀サン、マフラーがずれてるわ。もう、おっちょこちょいなんだから。私がいないとダメね」
『さっちゃん、それ木』
「おっちょこちょいはお前だァ!!」
「結局誰も見分けついてねーじゃねーか!」


「どうでもいいが何で俺が黄色なんだ」

すると桂さんが本当にどうでもいい事を口にした。

「リーダーは普通赤だろう。赤がいいです」
「でしゃばるなヅラ。赤は私のシンボルカラーネ。リーダーは私ネ」
「納得はいかんがそういう割振りなら仕方あるまい」
『(いいのかよ)』
「リーダーとして命令するネ、イエロー。お前はカレーが好物だ。常時カレーを持ってろ」
「新八よォ、コレ取り替えてくんねー?こんな真っ白じゃカレーうどんも満足に食えねーよ」
「カレーうどんなんて食べに行かねーから!ってか何しに来たんだてめーら!!」
『(あ、カレー食べたくなってきた。…てかもう帰っていいかな)』
「…はあ」

まるで協調性のない私達を見るや否や、さっちゃんは小さくため息をついた。そして、ぱんぱん!と手を叩き視線を集中させると、さっちゃんは次の言葉を発した。

「それじゃあこれからあなた達の忍者適正を見させてもらうから。ついてきて」




『…商店街?』

忍者の衣装も着て、雰囲気づくりは出来たところで、私達はさっちゃんに連れられて近くにあった商店街へとやってきた。

「ここはね、通称「忍者通り」と呼ばれ、私達忍者が修業する際よく使われている所なの。江戸で活躍する忍者は皆ここで影になる術を身につけ巣立っていくのよ」
「でも修業出来るような施何も設ありませんよ。ただの通りじゃないですか」
「スポーツジムで忍者になれると思ってんのかてめーは、メガネ死ねコノヤロー」
『でもこんな所で何するの?』
「こういう何の変鉄もない所が忍者にとってはうってつけの修業の場所なのよ」
「何!?なんで僕に対してはSなの!?」
「成る程。人から身を隠す術は人の中にあってこそ身につけられるということか」
「そういう事よ」
『…で、桂さんなんでカレー持ってるんですか?』


「さっちゃんよォ、で…具体的に何をやるわけ?」
「アレを見て」

私達はさっちゃんが指を指した方へと顔を向けたそこには、本当に何の変鉄もない本屋が佇んでいた。

「成程。店員に気づかれないように本を万引…」



ガンッ!



さっちゃんは銀ちゃんの言葉に思いきり頭を殴った。(わ、銀ちゃんにも意外に手厳しい)そして痛がる銀ちゃんを余所に口を開いた。

「いい?これから店員にも客にも気づかれる事なく、好みのエロ本を買ってきなさい」



「「「「『……』」」」」



なんでエロ本?





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