4
「何してんだァ!早くお茶持ってこい!」
「御意!今すぐ行くでござる!ごめんなさい。私やっぱりこの昼の仕事も忙しいから」
「……」
さっちゃんはそう言うと「さらば!」と他の客の所へと行ってしまった。…が。
ガシャァァン!!
「お待たせしたでござる。お茶お持ちしました」
「ぎゃあああああ!!」
「こちらケーキの方現在サービス期間中でござる」
「ぎゃあああああ!!」
「はっ!眼鏡が…!」
勢いよく飛び去ったさっちゃんからは眼鏡が消えており、眼鏡がないと何も見えないさっちゃんは机へと思いきり着地し、客の顔へと思いきりケーキを押し付けた。そんなさっちゃんを見て、店長はすぐさま言葉を発した。
「明日から来なくていいから」
「えっそんな店長ォォ!!」
「店長こっち」
「眼鏡が…一体どこに」
「オーイ、こっちこっち」
「!」
いつの間に眼鏡をなくしたんだ、とさっちゃんが考えていると先程いた場所から声が聞こえた。さっちゃんが振り向いた場所は、私達の方。
「眼鏡忘れてったぜ」
銀ちゃんは意地悪そうな顔でさっちゃんの眼鏡をかけニヤッと笑った。
「さっちゃんはホントそそっかしいな〜」
「しかしこれで足枷はなくなったな」
嫌な確信犯だ。(足枷はお前達だ)
「あの…さっちゃんさん…ごめんなさい…」『ほんとアイツら叱っとくんで…』
流石に、仕事をクビにする程に姑息な真似をする銀ちゃん(と男前の桂さん)に保護者の気分になる私と新八くんはすぐさまさっちゃんへと詫びた。
「…ああ…もっといじめてほしい」
「え゛え゛え゛え゛!気持ち悪!!」
…そうでもないらしい。