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あれから、私と土方さんも観覧車へとやってきた。土方さんの話によると今度こそ松平さん達は七兵衛を抹殺するつもりだと。(なんであんな人が警察庁長官になれたんだろう)どうやって止めようか、と考えていると先程から遠くに聞こえていた音が段々と近づいてくるのに気がついた。(まさか…)
『"アレ"ってヘリだったんだ…』
先程、松平さんが電話していた中で「アレを用意しろ」と言っていた事を思い出したが、まさかすぎた。(またバズーカとかかと思ったら何つうモンを…!)顔を上げるとヘリは観覧車のすぐ側、栗子さん達が乗っているであろう一つの箱に近づいていた。そしてそこには松平さんと沖田さんと近藤さんがいる。
「チッ」
『ヘリじゃ止めれませんよ…どーします?』
「…オイ、お前はそこにいろ」
『あっ土方さん!』
土方さんは何か考えたと思うとすぐ側を通った観覧車の屋根に飛び乗った。(…そう言われて、大人しく待つ性分じゃないんだから困っちゃうよな〜)私は頭ですぐさまそんな事を思えば、それを追いかけるように同じように飛び乗った。
「!オメー…」
『一人だけ格好つけさせませんよ』
「危ねーマネすんじゃねー」
『土方さんに言われたくありません』
「…ったく……」
土方さんはそんな私にため息をつくと懐をガサゴソと漁り出した。
『アレレ?土方さんもホントは13になりたかったんじゃないですか?』
私がそう言ってニヤニヤ笑う先には松平さん達がかけていったようなサングラスをかけた土方さんがいた。
「んなワケねーだろ。目には目を、サングラスにはサングラスだ」
『意味がわからないです』
「オイ、お前もかけろ」
『わっ』
土方さんはそう言うと、同じサングラスと松平さん達の銃よりも大きなバズーカを私へと渡した。(何で、同じもの二つ持ってたんだろうか…)
『コレどこから取り出したんですか』
「細けー事は気にするな。もっと上まで行くぞ」
『……』
土方さんの言葉に私は小さくため息をつくと、土方さんの後に続き更に上へと上っていった。
「なっなんだ!?」
「俺達ァ殺し屋侍13。お命頂戴する」
「はァ!?何ムチャクチャな事…!」
「きゃああ!誰か助けっ……!!」
ヘリに乗っていた松平さん達は銃を構え、栗子さんの彼氏である七兵衛を狙っていた。私と土方さんはそれを止める為に観覧車の屋根を順々に上っていっていた。栗子さん達の屋根へ上るとその音に気付いたのか、栗子さんと七兵衛は上を見上げた。私達はその一つ上の屋根で立ち止まる。
「あれは…」
「!!なっ」
松平さん達も私達に気付き声をあげた。
「トシぃ!!なまえちゃん!!」
「トシぃ?」
『なまえちゃん?誰ですかそれは』
ジャカンッ
「俺達は愛の戦士。マヨラ13」
『…私はえーと…あっダンゴ13』
「オイ、なんでダンゴなんだよ。もっと他にあっただろ他に」
『いや団子屋で働いてるんで』
「そーいう問題じゃねーよ。…まあいい。人の恋路を邪魔するバカは」
『消え去って下さーい』
ゴンッ!!