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「あんのブス女ァァ!!!」
「血祭りじゃァァァ!!」
『原形留めねーようにしてやらァァ!!』
キャサリンは銀ちゃんの原チャリ、店のレジ、神楽ちゃんの傘、私の片岡さんから貰った大切な木刀を盗み、私たちは頭に血が完全にのぼっていた。
目の前にあったパトカーに乗り込み、キャサリンの後を追いかけるように車を発進させた。
「ねェ!とりあえず落ち着こうよ3人とも!僕らの出る幕じゃないですってコレ!たかが原チャリや傘や木刀でそんなにムキにならんでもいいでしょ」
『たかが木刀ォォ!?てめっ私の大切な木刀がたかがだとォ!?てめーも血祭りにしてやろうかァァ!!』
「なまえちゃんキャラ変わってるゥゥ!僕が悪かったから!だから落ち着いて!」
「新八、俺ぁ原チャリなんてホントはどーでもいいんだ。そんなことよりなァ、シートに昨日借りたビデオ入れっぱなしなんだ。このままじゃ延滞料金がとんでもない事になる。どうしよう」
「アンタの行く末がどうしようだよ!」
「延滞料金なんて心配いらないネ。もうすぐレジの金がまるまる手に入るんだから」
「お前はその綺麗な瞳のどこに汚い心隠してんだ!」
『そんなことさせねーぞ』
神楽ちゃんの言葉に瞳孔を開かせながら口を開いた。
「…延滞料金払うしかないヨ」
「神楽ちゃん凄い汗かいてるっつーかマジでなまえちゃんキャラ変わってるから!そもそも神楽ちゃん免許持ってんの!」
「人はねるのに免許なんて必要ないアル」
そう言って神楽ちゃんはキャサリンの後ろを物凄いスピードで追いかけていく。