Rocky and Funny!! | ナノ






神楽ちゃんが無事万事屋へと戻ってきて今まで通りの平和な日が続いていた。


『ごちそうさま。お店の前掃いてくるね』
「あァ、頼むよ」

私は朝ごはんを食べ終えると箒を持ちお店の外へと向かった。暫く店前を掃いていると、見覚えのある顔ぶれが数人、こちらへと歩いてくるのが目に入った。

『沖田さん、土方さん、近藤さん』
「あ、なまえさん。おはようございまさァ」
『おはようございます』
「おお、なまえちゃん!店の手伝いかい?」
『はい。…えっと、そちらの方は…?』
「あァ、この方は警察庁長官、松平片栗虎殿だ」
『!どうも初めまして』
「…オイ、嬢ちゃん、アンタあの時の」
『え?』
「この前えいりあんが出た時大砲ぶっ放されただろ」
『あ、ハイ』


「そん時軍艦に乗ってた人だ」
『……!!』


土方さんの言葉に私は目を見開いた。あの時、えいりあんから神楽ちゃんを助け出そうとしていた私達は軍艦に大砲をぶっ放されたのだ。(こ、この人が撃ったのか…)

「あの時は悪かったな〜」
『い、いえ…』
「おじさん急いでたんだよ〜」
『…え?』
「いや、五時から娘の誕生パーチーがあってな」
『……誕生パーチー…?』



オイ。聞いたか今の。



私は耳を疑った。人が死ぬかも知れない状況だったというのに、娘の誕生パーチーがあるからという理由で私達の言葉を受け入れずに撃ったのかこの人は。(この先の江戸で無事に過ごせるのかな…)私は怒るというよりも、こんな人に江戸が守られているのかと思うと何だか不安になった。


『そういえば皆さん、今日は隊服じゃないんですね。お非番ですか?』
「仕事だったんだが行く所が出来てな」
『そうなんですか』
「……」
『…な、何か…?』

私が土方さんと話していると松平さんがじっと私を見つめる。(しかも近い)あまりの近さにたじたじとしていると松平さんはゆっくりと口を開いた。





「嬢ちゃんも来るか」





「「「『……は?』」」」

松平さんの言葉に私達は見事にハモった。土方さん達の顔つきを見ると遊びに行く訳ではなさそうで、何か厄介事に巻き込まれそうな予感がした。

「オイ、とっつァん何言ってんだ。一般人を巻き込むつもりか?」
「そうだぜ、とっつァん」
「木を隠すなら森の中って言うだろ」
「しかし…」

『あ、あの…何?どういう事?オーイ…』

状況が読めない。私は松平さんを説得するように話を続ける近藤さん達に呆然と立ち尽くしていた。






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